「家の中で静かに過ごせる子を迎えたいな」「散歩でぐいぐい引っ張られるのはちょっと心配」と考えている方は多いはずです。犬を飼うなら、自分たちのライフスタイルに合った性格の子を選びたいですよね。この記事では、穏やかだと言われる10種類の犬種をサイズごとに紹介し、お家でゆったり過ごすための具体的な工夫をお伝えします。読み終わる頃には、あなたにぴったりのパートナーとの暮らしがはっきりとイメージできるようになりますよ。
おとなしい犬種10選をサイズ別に紹介
犬を迎えようと思ったとき、まず気になるのが「どれくらいおとなしいのか」という点ですよね。お家でのんびり過ごすのが得意な子がいれば、元気いっぱいに遊び回るのが大好きな子もいます。ここでは、ジャパンケネルクラブ(JKC)の分類も踏まえて、特にお家での暮らしに馴染みやすい10種類のワンちゃんをサイズ別にご紹介します。
室内で飼いやすい小型犬の3種
小型犬の中でも、特にお家の中で落ち着いて過ごせるのはシーズー、パグ、マルチーズの3種です。この子たちは室内での軽い遊びだけでも満足しやすく、激しい運動を毎日続けなくてもストレスが溜まりにくい傾向があります。マンションなどの限られたスペースでも、自分のお気に入りの場所を見つけてゆったり過ごしてくれるのが魅力ですね。
特にシーズーは、かつて王宮で愛された歴史があり、プライドが高そうに見えて実はとっても愛情深いワンちゃんです。パグもユーモラスな表情とは裏腹に、攻撃性が低くて子供とも仲良くできる穏やかさを持っています。マルチーズは真っ白な毛並みが美しいですが、性格も非常に素直で、飼い主さんの隣で丸まっているだけで幸せを感じてくれるタイプが多いですよ。
| 犬種名 | サイズの目安 | 体重 | お手入れの頻度 |
| シー・ズー | 小型 | 4〜7kg | 毎日のブラッシング |
| パグ | 小型 | 6〜8kg | シワの掃除が必要 |
| マルチーズ | 超小型 | 2〜3kg | 定期的なカット |
- 無駄吠えが少なく、近隣トラブルになりにくい
- 室内での運動量で満足してくれるのでお散歩が楽
- 飼い主さんに寄り添うことが大好きな甘えん坊
家族に寄り添う中型犬の3種
中型犬でおすすめしたいのは、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、そしてバセットハウンドです。このサイズのワンちゃんは、小型犬よりも体力がしっかりしていながら、大型犬ほど場所を取らないという「いいとこ取り」な面があります。特にキャバリアは、とにかく優しくて争いごとを好まない性格として有名ですね。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、明るく活発な一面もありますが、家族に対しては非常に従順で落ち着いています。バセットハウンドは、その長い耳と短い足が特徴ですが、性格はマイペースそのものです。どの犬種も、家族の輪の中に自然と溶け込み、リビングで一緒にテレビを見ているような静かな時間を共有するのが得意な子たちばかりですよ。
| 犬種名 | サイズの目安 | 体重 | 運動量の目安 |
| キャバリア | 中型 | 5〜8kg | 1日30分×2回 |
| E・コッカー | 中型 | 12〜15kg | 1日40分×2回 |
| バセットハウンド | 中型 | 20〜30kg | のんびりとした歩行 |
- 感情が安定していて、見知らぬ人や犬にも優しい
- 家族の感情を読み取る能力が高く、癒やしの存在になる
- 賢いのでお家のルールを覚えるのが早い
おおらかで優しい大型犬の4種
大型犬でおとなしい子を探しているなら、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、バーニーズ・マウンテンドッグ、そして「優しい巨人」と呼ばれるグレート・デーンの4種が代表的です。身体が大きい分、動作がゆったりとしていて、ちょっとしたことでは動じない包容力があります。特にゴールデンやラブは、人の手助けをする仕事も得意なほど、高い共感力を持っています。
バーニーズ・マウンテンドッグは、寒冷地で荷車を引いていた歴史があり、家族を守ろうとする優しさに溢れています。グレート・デーンはその迫力ある見た目とは裏腹に、中身はとっても繊細で穏やかな「お座敷犬」のような気質を持っていることが多いです。大きな身体を預けて甘えてくる姿は、何物にも代えがたい安心感を与えてくれますよ。
| 犬種名 | サイズの目安 | 体重 | 他の犬との相性 |
| ゴールデン | 大型 | 25〜34kg | 非常に良好 |
| ラブラドール | 大型 | 25〜36kg | 非常に良好 |
| バーニーズ | 大型 | 30〜45kg | 穏やかで友好的 |
| グレート・デーン | 超大型 | 45〜90kg | おっとりしている |
- 「ジェントル・ジャイアント」と呼ばれるほど温厚
- 小さな子供や他のペットに対しても寛容に接する
- 存在感があり、一緒にいるだけで精神的な支えになる
サイズによって異なる運動量と生活スペース
おとなしい犬種であっても、身体の大きさによって必要な運動量やお家のスペースの作り方は変わってきます。小型犬ならリビングの一角で十分な運動になりますが、大型犬となると足をしっかり伸ばして寝転がれるだけの広さが必要です。また、お散歩の時間は身体への負担を考えて、その子に合わせた長さを設定してあげることが大切ですね。
大型犬はのんびりしているとはいえ、一歩の歩幅が大きいため、しっかりとしたお散歩が必要です。一方で小型犬は、お外の刺激を受けるだけで満足してしまう子もいます。あなたの住環境や、毎日どれくらいの時間を運動に割けるかを考えて選ぶのが、ワンちゃんとの幸せな暮らしへの近道ですよ。
- 小型犬は家の中でも満足しやすいが、外の刺激は必要
- 大型犬は関節への負担を考え、滑りにくい床作りが必須
- サイズに関わらず、1日のリズムを整えてあげることが基本
穏やかな性格の犬種が持つ共通した特徴
「おとなしい」と言われるワンちゃんたちには、いくつかの共通点があります。これは単に動きが遅いということではなく、心の持ちようが安定しているということなんですね。どんな状況でもパニックにならず、飼い主さんの声をしっかり聞ける余裕を持っているのが、この子たちの素晴らしいところです。
攻撃性が低く誰にでも愛想が良い
おとなしい犬種の最大の特徴は、人や他の犬に対して牙をむくことがほとんどないという点です。これは、長い歴史の中で人間と密接に関わり、協力して暮らすために選ばれてきた結果でもあります。散歩中に他のワンちゃんとすれ違っても、落ち着いて挨拶ができる子が多いので、外に連れて行くのも安心ですね。
初めて会う人に対しても、自分から尻尾を振って近づいていったり、優しく見守ったりする余裕があります。相手を敵だと決めつけず、まずは受け入れようとする心の広さが、穏やかさの正体です。 こうした性格の子はドッグカフェやドッグランでもトラブルになりにくく、飼い主さんの交友関係も広がりますよ。
- 威嚇(いかく)や攻撃的な態度を自分から見せない
- 初対面の人にも緊張せずにリラックスして接する
- 家族以外の人に触られても嫌がらずに喜ぶ
室内での無駄吠えや興奮が少ない
おとなしいワンちゃんは、チャイムの音や窓の外の物音に対して過剰に反応しません。もちろん番犬としての役割を果たすこともありますが、一度「大丈夫だよ」と伝えれば、すぐに静かになってくれる聞き分けの良さがあります。家の中でずっと走り回ったり、飛び跳ねたりして興奮し続けることが少ないのも特徴ですね。
これは感情のコントロールが上手である証拠で、飼い主さんのペースに合わせて生活を整えてくれます。仕事や家事で忙しいときでも、足元で静かに寝て待っていてくれる姿には本当に救われます。興奮のスイッチが入りにくいので、お家での時間がとても穏やかで豊かなものになりますよ。
- 物音にいちいち反応せず、寝るべきときはしっかり寝る
- 来客があっても、数回の挨拶で落ち着くことができる
- 家の中で家具を噛んだり、暴れたりするいたずらが少ない
飼い主の指示を聞き入れる従順さ
おとなしい犬種は「飼い主さんを喜ばせたい」という気持ちがとても強いです。そのため、トレーニングやしつけもスムーズに進むことが多いですね。名前を呼べばすぐに戻ってくる、座れと言われればしっかり座るといった基本の動作を、楽しみながら覚えてくれます。
この従順さは、お互いの信頼関係がしっかり築けているからこそ生まれるものです。犬が自分で判断して勝手な行動をするのではなく、常に「次は何をすればいい?」と飼い主さんを頼ってくれます。お互いの意思疎通がスムーズにいくので、しつけでイライラすることが格段に少なくなりますよ。
- アイコンタクトが取りやすく、こちらの意図を汲み取ってくれる
- 「待て」や「おいで」の指示に対する反応が素早い
- 叱られるよりも、褒められることでぐんぐん伸びるタイプ
変化に対して動じないどっしりした気質
急な天候の変化や、お出かけ先の騒がしい環境でも、落ち着いていられるのがおとなしい犬の強みです。神経質な面が少ないので、新しい環境に対しても比較的早く馴染んでくれます。旅行やキャンプなど、いつもと違う場所に連れて行っても、パニックにならずに一緒に楽しむことができるんですね。
こうしたどっしりした気質は、一緒に暮らしていく上での大きな安心感に繋がります。何が起きても「まあ、大丈夫でしょ」と構えているようなワンちゃんがそばにいると、不思議と私たち人間の方もリラックスしてきます。環境の変化をストレスに感じにくいことは、犬自身の健康寿命を延ばすことにも繋がりますよ。
- 雷や花火の音など、大きな音に対してもパニックになりにくい
- 車や電車などの乗り物移動も、静かに耐えてくれる子が多い
- 初めて行く場所でも、飼い主さんのそばにいれば落ち着ける
犬を穏やかに育てるために毎日意識したいコツ
もともとおとなしい犬種であっても、育て方次第で性格は変わります。逆に言えば、毎日のちょっとした接し方を工夫するだけで、もっと穏やかで落ち着いた子に育ってくれるんです。ここでは、お家ですぐに始められる具体的なコツをいくつかお伝えしますね。
1日の中で「何もしない時間」を習慣にする
犬にとって「何もしないでボーッとする時間」は、脳を休ませるためにとても重要です。つい構いすぎてしまいたくなりますが、あえて放置して自分一人で静かに過ごさせる時間を、1日のスケジュールの中に組み込んでみてください。これによって、一人でも安心してリラックスできる力が身につきます。
特に飼い主さんが家にいると、犬は常に「遊んでくれるかも!」と期待してしまいます。あえて「今は遊ばない時間だよ」というメリハリを作ることで、犬の興奮を鎮めることができるんです。 自分のベッドで丸まって、窓の外を眺めたりまどろんだりしている時間は、犬の情緒を安定させる大切なひとときになりますよ。
- 飼い主さんが作業している間は、犬のサークルで静かにさせる
- 「マテ」を使って、静止した状態を維持する練習を1日3分行う
- 自分一人の場所を邪魔せず、そっとしておいてあげる時間を作る
興奮しすぎたら一度距離を置いて落ち着かせる
おもちゃで遊んでいるときや来客時に、犬がハァハァと息を切らして興奮しすぎてしまったら、一旦お休みさせましょう。声をかけても止まらない場合は、あえて視線を外して別室に行ったり、クレート(ハウス)に入れたりして「クールダウン」の時間を設けます。これによって、自分の感情をコントロールすることを学んでいきます。
そのまま遊び続けてしまうと、犬は興奮することが「良いこと」だと勘違いしてしまいます。「興奮したら楽しいことが終わるんだ」と理解させることで、次第に自分でブレーキをかけられるようになりますよ。 冷静になった頃を見計らって、また優しく声をかけてあげてくださいね。
- 興奮して飛びついてきたときは、背中を向けて完全に無視する
- 落ち着くまではおやつやおもちゃを絶対に与えない
- 「オスワリ」をさせて、呼吸が整うまでじっと待つ
できたことを言葉と撫でる動作でしっかり褒める
おとなしい子は、派手なアクションを起こさないので、ついつい褒めるのを忘れがちです。でも、静かに待てたとき、隣でゆっくり歩けたとき、チャイムに反応しなかったときこそが褒める最大のチャンスです。優しい声で「偉いね」「上手だね」と言いながら、ゆっくりと撫でてあげてください。
ワンちゃんは、自分がした行動で飼い主さんが喜んでくれるのが一番の報酬です。「静かにしていると良いことがある」と学習すれば、自分から進んで落ち着いた行動を取るようになります。 おやつを使うのも良いですが、飼い主さんの温かい手と優しい言葉が、一番の心の安定剤になりますよ。
- 静かに寝ているときに、通りがかりに一言だけ「お利口さん」と添える
- 指示を聞けたときは、数秒間しっかりと目を見て褒める
- 激しく撫でるのではなく、心拍数を落ち着かせるようにゆっくり撫でる
飼い主自身が常にゆったりとした動作で接する
犬は飼い主さんの鏡と言われるほど、私たちの感情や動作を敏感に感じ取ります。飼い主さんがバタバタと忙しそうに動いたり、イライラして大きな声を出したりすると、犬も不安になって興奮しやすくなります。まずは自分自身が、落ち着いたトーンで話し、ゆっくりとした動作を心がけてみてください。
例えば、帰宅したときに「ただいま!」と高い声で興奮気味に挨拶すると、犬も飛び跳ねて迎えてしまいます。あえて落ち着いて「ただいま」と低めの声で言い、犬が落ち着くのを待ってから触れるようにしましょう。あなたの穏やかなオーラが、そのままワンちゃんの安心感に直結しますよ。
- 指示を出すときは短く、低い落ち着いた声で伝える
- 家の中を歩くときも、なるべく足音を立てずに静かに動く
- イライラしたときは一度深呼吸をしてから犬に接する
健やかな体を作る食事と性格の深い関係
「食べ物で性格が変わるの?」と驚かれるかもしれませんが、実は密接に関係しています。脳内の幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの原料が不足すると、犬もイライラしたり攻撃的になったりしやすくなるんです。日々の食事を少し工夫するだけで、もっと落ち着いた生活が送れるようになります。
噛みごたえのあるおやつでストレスを解消する
犬にとって「噛む」という行為は、最高のリラックス方法の一つです。しっかり噛むことで脳に刺激が行き、ストレスを緩和させる物質が分泌されます。牛皮のガムや、鹿の角、また噛むと音が鳴るゴム製のおもちゃなどを活用して、存分に噛ませてあげましょう。
ただし、硬すぎるものは歯を痛める可能性があるので注意が必要です。お留守番の前や、少し興奮気味のとき、寝る前などに噛むおやつを与えると、集中して噛んでいるうちに気持ちがすっと落ち着いてきます。「あごを使う」という欲求を満たしてあげることで、無駄な興奮や家具への噛みつきを予防できますよ。
- 鹿の角や牛皮ガムなど、その子の大きさに合った硬さのものを選ぶ
- 噛んでいる間は邪魔をせず、一人の世界に集中させてあげる
- 丸呑みの危険がないよう、最後までしっかり見守る
血糖値を急激に上げない良質なタンパク質の選び方
食事の後の急激な血糖値の上昇は、イライラや多動の原因になることがあります。これを防ぐためには、トウモロコシや小麦などの穀物が多く含まれたフードよりも、良質な肉や魚が主原料(第1原料)のものを選んでみてください。ゆっくり消化・吸収される食事は、気持ちの安定にも役立ちます。
特におすすめなのが、L-トリプトファンという栄養素を豊富に含むフードです。これはセロトニンの原料になるもので、鶏肉やターキー、魚類に多く含まれています。中身を確認して「鶏肉(生肉)」などと具体的に書かれているものを選ぶのが、穏やかな体を作るための第一歩ですよ。
| 主なタンパク質源 | 期待できること | おすすめのワンちゃん |
| チキン・ターキー | トリプトファンが豊富で情緒安定 | 全ての落ち着かせたい子 |
| ラム肉 | 低脂肪でヘルシー、ゆっくり消化 | 太りやすい子 |
| サーモン | オメガ3脂肪酸で脳の健康維持 | 高齢犬や皮膚が弱い子 |
- 袋の裏面を見て、最初の3つに「肉の名前」が入っているかチェック
- 保存料や着色料が少ない、シンプルなレシピのものを選ぶ
- 穀物が多すぎない「グレインフリー」や「穀物控えめ」を検討する
規則正しい食事の時間で生活リズムを整える
毎日決まった時間に食事ができるという安心感は、犬にとって非常に大きなものです。「次いつ食べられるかわからない」という不安は、犬を神経質にしてしまいます。なるべく時間を固定することで、自律神経のバランスが整い、1日の生活リズムにメリハリが生まれます。
また、早食いを防ぐ工夫も大切です。一気に食べ終わってしまうと満足感が得られず、すぐにおねだりをして興奮の原因になります。凹凸のある「早食い防止用ボウル」を使ったり、知育玩具にフードを詰めて考えながら食べさせたりすることで、脳を疲れさせて食後のリラックスタイムに繋げましょう。
- 朝と晩、なるべく同じ時間にフードを与える
- 知育玩具(コングなど)を使い、10〜15分かけてゆっくり食べさせる
- おねだりされても、決まった量以上は与えないルールを徹底する
水分摂取を促して内臓の負担を減らす工夫
意外かもしれませんが、水分不足も体調を崩す原因になり、それがイライラに繋がることがあります。身体の中の老廃物がスムーズに出るよう、常に新鮮な水が飲める環境を整えてあげてください。特にお散歩の後や、乾燥する冬場などは意識して水分を摂らせることが大切です。
あまり水を飲まない子の場合は、ドライフードをぬるま湯でふやかしたり、ウェットフードをトッピングしたりするのも良いアイデアです。身体の巡りが良くなると、余計な火照りや不快感がなくなり、犬自身もゆったりとした気持ちで過ごせるようになりますよ。
- 飲み水は1日に最低2回は入れ替えて、常に清潔に保つ
- 水飲み場を家の中に2箇所以上作り、いつでも飲めるようにする
- 夏の暑い時期は、氷を1粒入れて冷たさを演出してみる
室内での過ごし方で決まる犬の気持ち
お家の中は、犬にとって最も長く過ごす場所です。ここが安心できる聖域(サンクチュアリ)になっていれば、外で何があってもお家に戻ればすぐにリセットできます。反対に、家の中が騒がしかったり不快だったりすると、性格も尖(とが)っていってしまいます。
窓の外の刺激を遮ってリラックスできる場所を作る
おとなしい犬でも、窓の外を歩く人や他の犬が見えすぎると、自分のテリトリーを守ろうとして緊張してしまいます。特に通行人が多い窓際などは、レースのカーテンを閉めたり、目隠しシートを貼ったりして視覚的な刺激を減らしてあげましょう。これだけで、お家での「見張り」の仕事から解放されます。
犬がリラックスするためには、情報量を制限してあげることが大切です。外の様子が見えすぎない静かな環境を作ることで、初めて「ここでは寝ていていいんだ」と安心できるんです。 穏やかな性格を維持するためには、外の世界から一歩引けるプライベートな空間を確保してあげてください。
- 外の動くものが見えない高さまで、目隠しフェンスやカーテンを設置する
- テレビや音楽の音量も控えめにし、騒音ストレスを減らす
- 来客時は、窓際から離れた静かな場所に犬を移動させる
家族の気配を感じつつ1人で眠れる寝床の配置
犬のベッドやクレートは、リビングの隅など「家族が見えるけれど、人通りが激しくない場所」に置くのがベストです。廊下やドアのすぐそば、あるいはリビングのど真ん中などは、落ち着いて眠ることができません。壁を背にして、周りを囲まれているような場所を犬は好みます。
自分の匂いがついた専用の場所があることで、犬は精神的に自立しやすくなります。「あそこに行けば誰にも邪魔されない」という安全地帯があるからこそ、普段の時間は家族と穏やかに過ごせるんです。 誰かが近づいたらすぐに気づけるけれど、足は踏み入れられない。そんな絶妙な場所を見つけてあげてくださいね。
- クレートの上に布をかけて、薄暗い洞窟のような空間にする
- 家族の視線がずっと当たり続けない場所を選ぶ
- 掃除機の音が直接届かないような、落ち着いた角地を確保する
床材で足腰の不安を取り除いてあげる
フローリングの床は、犬にとって氷の上を歩いているようなものです。滑るたびに関節に負担がかかり、それが痛みや不快感となって性格に影を落とすことがあります。特におとなしい大型犬や高齢犬にとっては、歩くたびに緊張を強いることになってしまいます。
滑らないように「ジョイントマット」を敷いたり、滑り止めコーティングを施したりして、安心して歩ける環境を整えましょう。足元が安定すると、犬は身体の余計な力を抜くことができ、精神的なリラックスにも繋がります。 「どこを歩いても滑らない」という安心感は、犬の気持ちをぐっと穏やかにしてくれますよ。
- 犬がよく通る動線には、必ずカーペットやマットを敷く
- 肉球の間の毛をこまめにカットして、滑り止め効果を維持する
- 足腰への負担を考えた、クッション性の高い床材を選ぶ
室温と湿度を一定に保ってイライラを予防する
犬は人間よりもずっと暑さに弱く、湿度が高いと不快指数も跳ね上がります。特にパグやシーズー、ブルドッグなどの鼻が短い犬種は、体温調節が苦手です。室温が高すぎるとハァハァと息が荒くなり、それが心拍数を上げて興奮状態を引き起こしてしまいます。
夏場は25度前後、冬場は20度前後を目安に、エアコンで温度を管理してあげましょう。湿度は50%程度を保つと、皮膚のトラブルも防げて快適に過ごせます。「人間が少し涼しいかな?」と感じるくらいが、毛皮を着ているワンちゃんにとってはちょうど良い適温ですよ。
- エアコンの風が犬の体に直接当たらないよう風向を調節する
- 温湿度計を犬の寝床に近い低い位置に置き、数値をチェックする
- 夏場はひんやりマット、冬場はペット用ヒーターなどを併用する
犬種ごとの特徴に合わせた正しい接し方
おとなしいと言われる犬種でも、それぞれに「こだわり」や「苦手なこと」があります。サイズやルーツに合わせた接し方を理解しておくことで、すれ違いによるストレスを防ぐことができます。あなたの愛犬が何を求めているのか、ちょっとだけ深掘りしてみましょう。
甘えん坊な小型犬には分離不安を防ぐ距離感を
シーズーやマルチーズなどの小型犬は、飼い主さんのことが大好きすぎて、一歩も離れたくないという「分離不安」になりやすい一面があります。お家の中でずっと後ろをついてきたり、トイレまでついてきたりするのは可愛いですが、これが行き過ぎるとお留守番のときにパニックになってしまいます。
家の中でも、あえて別の部屋で過ごす時間を作ったり、戻ってきたときに過剰に反応しないようにしましょう。「いなくなっても必ず戻ってくる」という信頼を教えることで、落ち着いてお留守番ができる自立したワンちゃんになりますよ。 適切な距離感を保つことが、結果として愛犬の心を穏やかに守ることに繋がります。
- 家の中でも「ハウス」をさせて、離れて過ごす練習をこまめに行う
- 外出時と帰宅時はあえて無視し、感情の波を作らない
- 一人でも遊べる知育玩具(フードが出てくるものなど)を活用する
体力のある中型犬には遊びの中にトレーニングを
キャバリアやコッカーなどは、おとなしいとはいえ元々は猟犬の血を引いています。そのため、ただ寝ているだけではなく、頭を使った遊びを欲しがります。ただボールを投げるだけでなく、「待て」をさせてから「よし」で取りに行かせるなど、ルールのある遊びを取り入れてみてください。
これによって、犬の「働きたい」という欲求が満たされ、心地よい疲労感が得られます。脳を使った遊びは、15分の散歩よりもずっと犬を満足させ、その後の落ち着きを生んでくれますよ。 「飼い主さんと一緒に頑張った!」という達成感が、ワンちゃんの表情を優しく変えてくれます。
- 隠したおやつを鼻で見つけさせる「ノーズワーク」を取り入れる
- 新しい技を週に1つ教えて、脳に良い刺激を与える
- 散歩のコースを毎日少しずつ変えて、新しい匂いを楽しませる
重量の重い大型犬には無理をさせない運動メニューを
ゴールデンやラブラドール、バーニーズなどの大型犬は、身体が重い分、骨や関節への負担が大きいです。若いうちは元気に走り回りますが、長生きしてもらうためには「質の高い、ゆったりとした運動」が大切です。アスファルトの硬い道だけでなく、芝生や土の上をゆっくり歩く散歩を心がけましょう。
また、階段の昇り降りや、ジャンプをさせるような遊びは極力避けてください。「激しく動かす」ことよりも「五感(視覚・嗅覚・聴覚)を刺激する」ことに重点を置いた散歩をすることで、身体を壊さずに心を満たすことができます。 大型犬の穏やかな老後を守るためにも、若いうちからのケアが重要ですよ。
- ドッグランでは激しい追いかけっこを控え、クンクン歩きを優先する
- 水泳などの関節に負担をかけない全身運動も検討する
- 散歩の時間は気温の低い早朝や夕方を選び、熱中症を徹底予防する
吠えやすい性質を持つ場合の具体的な対処
おとなしいと言われる犬種でも、中には特定の音や人に対して吠えてしまう子がいます。そんなときは叱るのではなく、「どうして吠えているのか」をまず探ってあげてください。恐怖心からなのか、それとも何かを要求しているのか。理由がわかれば、対処法も自ずと見えてきます。
要求吠えの場合は、吠えている間は徹底的に無視し、静かになった瞬間に褒めるのが鉄則です。警戒吠えの場合は、おやつを使って「怖いもの=良いことが起きる」と上書きしてあげましょう。ワンちゃんの吠え声は、彼らなりのメッセージです。落ち着いて耳を傾けてあげることが、解決の第一歩になりますよ。
- 吠えても「ダメ!」と大声を出さない(犬は飼い主が一緒に吠えていると勘違いする)
- 「吠え」以外のコミュニケーション手段(鼻でつつく、座るなど)を教える
- 不安そうなときは、体を密着させて「大丈夫だよ」と無言で伝える
信頼関係を深めるために飼い主がやるべきこと
最後にお伝えしたいのは、結局のところ、ワンちゃんが穏やかでいられるかどうかは、あなたとの信頼関係にかかっているということです。「この人のそばにいれば絶対に安全だ」と思ってもらえれば、どんなワンちゃんでも最高にいい子になってくれます。
言葉だけでなく一貫したボディーランゲージを使う
犬は人間の言葉以上に、私たちの姿勢や身振り手振りから情報を得ています。昨日言ったことと今日言ったことが違ったり、怒っているのにニコニコしていたりすると、犬は混乱して不安になります。常に一貫した態度で接することが、犬に安心感を与える秘訣です。
例えば、「お座り」と言いながら指を立てるなら、毎回同じ動作をセットにしましょう。あなたの行動が予測可能であればあるほど、犬はリラックスして過ごせるようになります。 言葉はあくまで補助として、優しく毅然とした態度を見せてあげてくださいね。
- 家族全員で、しつけの言葉(コマンド)を統一する
- ダメなときは、言葉を短く「NO」と一定のトーンで伝える
- 褒めるときは全身で喜びを表現し、犬に伝わるようにする
嫌がることは無理にせず少しずつ慣らす忍耐強さ
爪切りやブラッシング、お風呂など、犬が苦手なことを無理やり行うと、信頼関係はあっという間に崩れてしまいます。まずは「道具を見せるだけ」「ちょっと触れるだけ」から始め、少しずつステップアップしていきましょう。焦りは禁物です。
無理強いをされると、犬は自分を守るために攻撃的になったり、逆に心を閉ざしてしまったりします。「この人は無理なことはさせない」と信頼してもらうことが、将来の介護や治療が必要になったときにも生きてきます。 どんなときも、愛犬のペースを尊重してあげてください。
- 苦手なことをするときは、最高に美味しいおやつを併用する
- 嫌がって暴れたら、一度止めて仕切り直す余裕を持つ
- 「1日で終わらせよう」と思わず、数日かけて慣らしていく
毎日5分でも濃密にコミュニケーションを取る
長い時間の散歩ができなくても、毎日必ず愛犬と「1対1」で向き合う時間を作ってください。スマホを見ながらではなく、しっかりと目を見て、全身を優しくマッサージしたり声をかけたりする時間です。この数分間が、犬にとっては1日で最も幸せな時間になります。
飼い主さんからの愛情を感じているワンちゃんは、精神的に満たされているため、情緒が非常に安定します。「自分は大切にされている」という実感こそが、おとなしくて優しい性格を育む最強の栄養剤になるんです。 どんなに忙しい日でも、寝る前の5分間だけは愛犬のために使ってあげてください。
- 身体全体をゆっくり触って、しこりやケガがないかチェックも兼ねる
- 優しく名前を呼びながら、まぶたの裏や耳の付け根などを撫でる
- アイコンタクトができたら、笑顔で応えてあげる
体調の変化にすぐ気づけるようスキンシップを欠かさない
おとなしい犬種は、身体の不調を我慢してしまう子が多いです。どこかが痛かったり痒かったりしても、静かに耐えていることがあります。そんなときに、急に触られて怒ってしまったら、それは性格が悪いのではなく、身体の悲鳴かもしれません。
日頃から全身を触っておくことで、「いつもと違う」違和感にいち早く気づくことができます。早めに不調を解決してあげることが、犬のQOL(生活の質)を高め、穏やかな気質を維持することに繋がります。 あなたの優しい手は、愛犬の健康を守る最高のセンサーですよ。
- 毎日ブラッシングをしながら、皮膚の赤みやノミ・ダニがいないか見る
- お口の中や耳の中の匂いを確認し、炎症がないかチェックする
- 歩き方に違和感がないか、時々後ろから観察する習慣をつける
まとめ:おとなしい犬と過ごす穏やかな毎日
おとなしい犬種を迎え、適切に育てていくことで、あなたの生活には代えがたい「静寂と安らぎ」がもたらされます。犬種ごとの気質を知り、その子に合った環境と愛情を注ぐことが、幸せな共生への第一歩です。
- サイズ別におとなしい犬種10選を知り、自分に合う子を見つける
- 穏やかな犬は攻撃性が低く、従順で、変化に強い特徴がある
- 「何もしない時間」を作り、静かに過ごす習慣を覚えさせる
- 良質なタンパク質と噛むおやつで、身体の中から落ち着きを作る
- 窓の外の刺激を減らし、滑らない床でリラックスできる家にする
- 無理強いをせず、毎日数分の濃密な交流で信頼を深める
- 体調の不調をいち早く察知し、痛みによるイライラを防ぐ
犬は一生をかけて、あなたに無償の愛を注いでくれます。穏やかなパートナーと共に、ゆったりとした流れる時間を存分に楽しんでくださいね。

