愛犬が耳をぺたんと横に倒して、まるで飛行機の翼のように見える「ヒコーキ耳」。その姿はとっても可愛いですが、「これって本当に喜んでいるのかな?」と不安になることもありますよね。実はこのしぐさには、犬が言葉の代わりに体で伝えている大切なメッセージが隠されています。
この記事では、ヒコーキ耳に隠された犬の気持ちや、似たような動きとの見分け方をわかりやすく紹介します。愛犬が今どんな気分なのかを知ることで、毎日のコミュニケーションがもっと楽しくなり、絆もぐっと深まるはずですよ。
犬がヒコーキ耳で「嬉しい」という感情を伝える理由
愛犬が尻尾を振りながら、耳を横に倒して近づいてくることはありませんか?この独特な形は、犬が心の底からリラックスして、相手を信頼しているときに見せる特別なサインです。なぜこのような動きをするのか、その理由を深く知ることで、愛犬の「大好き」という言葉にならない声が聞こえるようになりますよ。
敵意がないことを伝える平和のポーズ
ヒコーキ耳は、犬が自分に攻撃するつもりがないことを相手に示す「なだめ行動」の一つです。耳を横に寝かせることで、自分の体を小さく見せたり、表情を穏やかにしたりして、相手に安心感を与えようとしています。これは野生時代の名残で、群れの仲間と争いを避けるための知恵でもありました。
飼い主さんに対してこのポーズを見せるのは、「あなたをとても信頼していて、仲良くしたいです」という平和的な挨拶をしているのと同じです。力みが抜けた柔らかな耳の動きは、今の環境がとても安全だと感じている証拠でもあります。
- 相手を刺激しないためのポーズ
- 群れのルールに基づいた友好の印
- 自分を小さく見せて敵意がないことを示す
大好きな相手にだけ見せる甘えたい気持ち
犬がヒコーキ耳をするとき、脳内では「オキシトシン」という幸せホルモンがたくさん分泌されています。これは飼い主さんと触れ合ったり、優しく声をかけられたりすることで出るホルモンで、愛犬が「最高に幸せ!」と感じている状態です。このとき、耳の付け根にある「前耳筋」という筋肉が後ろに引かれることで、あの可愛い形が作られます。
特に、お留守番から帰ってきたときや、寝る前のまったりした時間にこの耳になることが多いはずです。それは、ただ甘えたいだけでなく、あなたという存在が愛犬にとっての心の拠り所になっていることを示しています。このしぐさは、犬が心を開ききっている最高の愛情表現といえます。
- 幸せホルモン「オキシトシン」の影響
- 耳を動かす筋肉がリラックスして後ろに引かれる
- 深い信頼関係がある相手にしか見せない
興奮とリラックスが混ざり合った独特の状態
ヒコーキ耳は、ただ落ち着いているだけでなく、少しワクワクした興奮状態も混ざっています。例えば、散歩に行く直前や、大好きなおやつが出てきたときなどに、耳を横に倒して目を細めることがあります。これは「嬉しいけど、落ち着いてあなたに従います」という、犬なりの礼儀正しい喜び方なのです。
興奮しすぎて飛びつくのではなく、耳を寝かせて寄り添ってくるのは、犬が自分の感情をコントロールしようとしている現れでもあります。喜びのエネルギーを、あなたへの親愛の情に変えて伝えているとても健気な姿といえますね。
- 喜びによる適度な興奮状態
- 感情をコントロールして甘えようとする姿勢
- 遊びに誘いたいときのワクワク感の表現
犬種ごとの特徴で見るヒコーキ耳の現れ方
犬種によって耳の形や大きさはバラバラですが、どの犬も感情に合わせて耳を動かします。立ち耳の犬ならわかりやすいですが、耳が垂れている犬や毛が長い犬だと、少し見極めにコツが必要なこともあります。あなたの愛犬がどんな風にヒコーキ耳を表現するのか、その個性をチェックしてみましょう。
立ち耳が目立つ柴犬やコーギーの場合
柴犬やコーギーのようなピンと立った耳を持つ犬種は、ヒコーキ耳の変化がとてもわかりやすいのが特徴です。耳が真横に向くことで、顔の輪郭がまるで丸いドラえもんのようになり、独特の愛嬌が生まれます。特に柴犬は、この耳と細めた目をセットにした「柴スマイル」を得意とする子がたくさんいます。
立ち耳の犬は普段、周囲の音を聞くために耳をせわしなく動かしていますが、ヒコーキ耳のときはその動きが止まります。音を拾うことよりも、飼い主さんとの交流に集中している状態です。柴犬特有の「柴距離」を超えて、この耳で近づいてくるのは心から気を許している証拠です。
- 耳が真横に倒れて顔が丸く見える
- 周囲の音を気にせず、飼い主さんに集中している
- 目を細める「スマイル」とセットになりやすい
垂れ耳で見分けにくいレトリバーやビーグルの場合
ゴールデンレトリバーやビーグルのような垂れ耳の犬種は、一見すると耳の形が変わっていないように見えます。しかし、耳の付け根の部分をよく観察してみてください。嬉しいときは、耳の根元がぐいっと後ろに引っ張られ、顔の横のラインがすっきりと平らな印象になります。
垂れ耳の犬は、耳を持ち上げる筋肉が発達していない代わりに、耳の付け根を動かして感情を伝えます。耳が顔のラインに沿って後ろに流れるような動きをしていれば、それが彼らなりのヒコーキ耳です。顔全体が優しく、ふにゃっとした表情になっていれば、喜んでいると判断して間違いありません。
- 耳の付け根が後ろに引かれる
- 顔の横のラインが平らですっきりして見える
- 耳が浮き上がらず、顔に沿うように後ろへ流れる
顔のシワに隠れやすいパグやフレンチブルドッグの場合
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、耳だけでなく顔全体の筋肉を使ってヒコーキ耳を作ります。耳が横に開くのと同時に、眉間のシワが伸びて、目が少しタレ目のような形になるのが特徴です。耳が小さい子も多いですが、付け根の動きに注目すると、後ろにグッと引かれているのがわかります。
これらの犬種は、感情がダイレクトに顔に出やすいため、耳の動きと合わせて口元もチェックしてみてください。嬉しいときは口が半開きになり、舌がぺろっと出ていることが多いです。顔のパーツが中心から外側へ広がるようなイメージのときは、最高にハッピーな気分でいますよ。
- 耳の付け根が後ろに下がり、顔のシワが和らぐ
- 目がタレ目のようになり、穏やかな表情になる
- 口元がリラックスして緩んでいる
怖い時と嬉しいサインを見分けるポイント
「耳が後ろに倒れているから嬉しいんだ」と決めつけてしまうのは、少し危ないかもしれません。なぜなら、犬は恐怖や不安を感じているときも、耳を後ろに倒すことがあるからです。嬉しいときと怖いときでは、耳の形だけでなく、目や体全体の見え方が全く違います。その決定的な違いを見極める方法をお伝えします。
黒目の大きさと白目の見え方をチェック
嬉しいときのヒコーキ耳は、目を細めてトロンとした、穏やかな表情をしています。これはリラックスしているためで、黒目の大きさも普通です。一方で、恐怖を感じているときは、目を見開いて周囲を警戒します。そのため、黒目が大きく見えたり、白目が三日月のように見える「ホエールアイ」という状態になります。
愛犬の目を見て、「何かを訴えかけるような鋭さ」があるときは、ヒコーキ耳に見えても実は怖がっているサインかもしれません。優しく目を細めて、視線が柔らかく泳いでいるようなら、それは間違いなく喜びの表現です。
- 嬉しいとき:目を細めてリラックスしている
- 怖いとき:目を見開き、白目が目立つ(ホエールアイ)
- 表情全体が柔らかいか、強張っているかが判断基準
尻尾の振る位置とスピードに注目する
耳の動きと一緒に、尻尾の様子も観察しましょう。嬉しいときのヒコーキ耳には、力みの抜けた大きな尻尾の振りがセットになります。お尻まで一緒に振るような、くねくねとした動きが見られれば、全身で喜びを表現しています。尻尾の位置も、高すぎず低すぎない自然な高さで振られます。
しかし、怖いときは尻尾が足の間に巻き込まれたり、低い位置で小刻みに震えたりします。このとき耳は横に開くのではなく、頭にぴったりと吸い付くように後ろへ張り付いています。耳が「横」か「後ろ」か、このわずかな向きの違いが感情を見分ける大きな手がかりになります。
- 嬉しいとき:お尻ごと大きく、ゆったりと振る
- 怖いとき:低い位置で振るか、足の間に巻き込む
- 耳が横に開いている(喜び)か、真後ろに張り付いている(恐怖)か
全身の筋肉が柔らかいか強張っているか
犬の体全体の「質感」をイメージしてみてください。嬉しいときのヒコーキ耳をしている犬は、体全体が柔らかく、どこを触ってもフニャフニャとした感触です。自分からあなたの体に寄り添ってきたり、体重を預けてきたりするような動作が見られます。
逆に、不安や恐怖があるときは、今すぐ逃げ出せるように筋肉がカチカチに固まっています。重心が後ろに下がっていて、触ろうとするとビクッとした反応を見せることもあります。ヒコーキ耳のような形をしていても、体が固まって動かない場合は、無理に近づかずに少し距離を置いてあげましょう。
- 嬉しいとき:全身の力が抜けていて、くねくね動く
- 怖いとき:筋肉が硬直し、重心が後ろにある
- リラックスして寄り添ってくるなら喜びのサイン
ヒコーキ耳を見せた時に飼い主がやるべきこと
愛犬がヒコーキ耳で「大好き!」と伝えてくれたら、飼い主さんとしてもその気持ちにしっかり応えてあげたいですよね。犬が喜ぶリアクションを返すことで、愛犬は「自分の気持ちが伝わった!」とさらに嬉しくなり、あなたへの信頼を深めていきます。ここでは、犬がもっと幸せになれる理想的な接し方を紹介します。
高すぎない穏やかな声で名前を呼ぶ
犬がヒコーキ耳をしているときは、穏やかな幸せを感じている状態です。そこに突然「わあー!可愛い!」と大きな高い声で反応すると、犬はびっくりしてリラックス状態が解けてしまうことがあります。お互いの心地よい雰囲気を壊さないよう、優しく落ち着いたトーンで話しかけてあげましょう。
「○○ちゃん、嬉しいね」「いい子だね」と、ささやくように声をかけるのがコツです。あなたの穏やかな声は、犬の脳内でさらにオキシトシンの分泌を促します。飼い主さんの落ち着いた反応こそが、犬にとって一番の報酬になります。
- 落ち着いた低いトーンで、優しく話しかける
- 大きな声や急な動作で驚かせないようにする
- 名前を呼びながら、ゆっくりと間を置いて褒める
首の横や胸元を優しくゆっくり撫でる
ヒコーキ耳の犬は、あなたとのスキンシップを求めています。このとき、頭の真上から手を持っていくのではなく、下から顎(あご)の下や、首の横、胸元を優しく撫でてあげてください。頭の上は犬にとって死角になりやすく、急に手が来ると反射的に避けてしまう子もいるからです。
撫でるときの手の動きは、ゆっくりと円を描くようにするのがおすすめです。犬が目を細めて、さらに耳をペタンと倒してきたら、そこが「気持ちいいポイント」です。愛犬の反応を見ながら、一番喜ぶ場所を探してあげると、コミュニケーションの解像度が上がりますよ。
- 頭の上ではなく、首や胸元を下から撫でる
- 毛並みに沿って、ゆっくりと優しくマッサージする
- 犬がうっとりして目を閉じるまで、丁寧に触れる
正面から覆いかぶさらずに視線を合わせる
犬にとって、人間が正面から覆いかぶさるような姿勢は、威圧感を感じるものです。愛犬がヒコーキ耳で近づいてきたら、自分も少し姿勢を低くして、同じ目線になってあげましょう。少し横を向くようにして座ると、犬は「自分を尊重してくれている」と感じて、より安心して甘えることができます。
じっと目を見つめすぎると、犬によっては緊張してしまうこともあるので、時折まばたきをしたり、視線を外したりするのがポイントです。リラックスした姿勢で迎え入れることで、愛犬はあなたの腕の中に飛び込みやすくなります。
- しゃがんだり座ったりして、高さを合わせる
- 正面を向くより、少し斜めを向いてリラックスさせる
- まばたきを混ぜながら、優しい視線を送る
犬の育て方で注意したい耳の形と健康チェック
耳の動きは感情を表すだけでなく、健康状態を教えてくれる重要なサインでもあります。「ヒコーキ耳かな?」と思っても、ずっと耳を下げたままだったり、しきりに気にしたりしている場合は、耳の中にトラブルが起きているかもしれません。日頃から耳の様子を観察することで、病気の早期発見に繋げましょう。
外耳炎などのトラブルで耳を下げている可能性
もし、愛犬が片方の耳だけをずっと下げていたり、首を頻繁に振ったりしているなら、外耳炎(がいじえん)を疑ってみてください。外耳炎は、耳の穴から鼓膜までの通り道に炎症が起きる病気で、強い痒みや痛み、違和感を伴います。嬉しいときのヒコーキ耳とは違い、耳を気にして足で掻いたり、床にこすりつけたりする動作が見られます。
耳の中をそっと覗いてみて、赤い腫れがないか、茶色い耳垢が溜まっていないかを確認しましょう。耳からツンとする嫌な臭いがする場合も、菌が繁殖しているサインです。 おかしいなと思ったら、自分で掃除しすぎず、早めに動物病院で診てもらうのが一番の近道です。
- 耳の中が赤く腫れていたり、ベタついた汚れがある
- 頭を激しく振ったり、片方の耳を地面にこすりつける
- 耳から独特の強い臭いがする
触られるのを嫌がる時の痛みや違和感
普段は撫でると喜ぶのに、耳の周りを触ろうとするとビクッとして逃げたり、唸ったりするときは要注意です。これは「触ると痛いからやめて!」という警告かもしれません。耳の中に異物が入っていたり、血腫(けっしゅ)といって耳の中に血が溜まって腫れたりしている可能性もあります。
健康な状態のヒコーキ耳であれば、触られるのを自分から求めてきます。触ろうとしたときの愛犬の反応がいつもと違う場合は、無理に触らずに様子を観察しましょう。痛みを隠すのが上手な犬でも、耳の動きや触られたときの反応には正直な答えが出ることが多いです。
- 耳周りを触ろうとすると、避けたり威嚇したりする
- 耳の皮膚が熱を持っていたり、厚くなっている感じがする
- 耳だけでなく、顔の周り全体を触られるのを嫌がる
ストレスを感じやすい環境と耳の動きの関係
身体的な病気だけでなく、心のストレスが耳の形に現れることもあります。引越しや新しい家族の登場など、環境の変化が大きいときに、ずっと耳を後ろに引いてしょんぼりしているようなら、それは心の疲れかもしれません。リラックスしたヒコーキ耳とは違い、表情に活気がなく、食欲が落ちることもあります。
このようなときは、愛犬が一番落ち着ける「自分だけの場所」を作ってあげることが大切です。静かな場所にケージやベッドを置き、ゆっくり休める時間を作ってあげましょう。耳の動きが元の活発な状態に戻るまで、焦らず見守ってあげることが、心の健康を育む育て方のコツです。
- 環境の変化によって、常に耳を伏せて元気がない
- 呼びかけへの反応が鈍く、目力が弱くなっている
- 一日の大半を、耳を下げて隅っこで過ごしている
日常で見せるヒコーキ耳の嬉しいサインのバリエーション
犬のヒコーキ耳には、その時々のシチュエーションによって微妙なニュアンスの違いがあります。ご飯の前、おもちゃで遊ぶとき、そしてあなたの帰宅時。それぞれの場面で見せる耳の動きは、愛犬があなたに伝えたい「独自のメッセージ」です。そのバリエーションを知ると、愛犬が何を考えているのかをもっと具体的にイメージできるようになります。
ご飯を待っている時の期待感あふれる表情
「ご飯だよ!」という言葉を聞いた瞬間、耳を横にペタンと倒して目を輝かせる姿。これは「やったー!待ってました!」という純粋な期待感の現れです。このときのヒコーキ耳は、喜びのあまり少しプルプルと震えていたり、尻尾がプロペラのように激しく回っていたりします。
お座りをして待っている間も耳を寝かせているのは、「ちゃんと待ってるから早くちょうだい!」という甘えの気持ちが含まれています。期待と自制心が混ざり合った、犬が一番キラキラしている瞬間です。 この可愛いしぐさを見ながら準備をすると、飼い主さんも幸せな気分になりますよね。
- ご飯への期待で、耳が横に大きく開く
- お座りをしていても、お尻が浮きそうなほどのワクワク感
- 飼い主さんの手の動きを一心に見つめる、輝く瞳
お気に入りのおもちゃを持ってきた時の得意げな顔
遊んでほしいとき、おもちゃをくわえながらヒコーキ耳でトコトコ近づいてくることはありませんか?これは「これ、見て見て!一緒に遊ぼう!」という、とてもポジティブな誘いです。耳を寝かせることで、自分を子犬のように可愛く見せて、あなたの気を引こうとしています。
このときの耳は、少し後ろに引きつつも、おもちゃを離さないように口元には力が入っています。遊びに誘うための「お辞儀のようなポーズ(プレイバウ)」と一緒に見られることも多いです。愛犬が最高にノリノリな状態なので、少しだけ時間を取って一緒に引っ張り合いっこやボール投げをしてあげてください。
- おもちゃをくわえながら、耳を横に倒してアピールする
- 「遊んで!」という誘いのポーズとセットになる
- 飼い主さんの反応を伺う、いたずらっ子のような表情
帰宅した飼い主を全力で迎える時の歓迎スタイル
玄関のドアを開けた瞬間、耳を完全に失くしたかのようにペタンコにして、全身をくねくねさせて迎えてくれる姿。これは「会いたかった!寂しかったよ!」という、最大級の歓迎のサインです。お留守番という試練を乗り越え、一番大好きなあなたに会えた喜びが爆発しています。
このときのヒコーキ耳は、喜びが強すぎて耳だけでなく、顔全体のシワが伸びきっていることが多いです。鼻を鳴らして「クゥ〜」と甘えた声を出すこともあります。この全力の歓迎を受け止めて、「ただいま、お利口だったね」としっかり優しく声をかけてあげることが、愛犬の心の安定に繋がります。
- 耳が見えなくなるほど、強く後ろへ倒す全力の歓迎
- 全身を波打たせるようにくねらせる、喜びのダンス
- 寂しさが解消された安心感と、再会の喜びのミックス
感情豊かな愛犬の気持ちを読み取るしぐさのヒント
耳の動きは非常に雄弁ですが、犬は全身を使ってコミュニケーションを取る動物です。ヒコーキ耳と一緒に現れる他のパーツの動きにも注目してみましょう。複数のサインを組み合わせて読み取ることで、愛犬の気持ちの解像度がぐんと上がり、「何を求めているのか」が手に取るようにわかるようになります。
ぺろぺろと顔を舐める行動とのセット
ヒコーキ耳をしながら、あなたの手や顔をぺろぺろと舐めてくるのは、子犬が母犬に食べ物をねだったり、甘えたりするときの名残です。これは深い愛情と、相手を敬う気持ちが込められた行動です。「あなたは私のリーダーであり、大好きな人です」という忠誠心に近い感情も含まれています。
舐めるという行為には、犬自身のストレスを和らげる効果もあります。ヒコーキ耳でリラックスしつつ、舐めることでさらに心を落ち着かせているのです。舐めるのが激しすぎる場合は少し落ち着かせる必要がありますが、基本的には愛犬からの熱烈な「好き」の告白だと捉えてくださいね。
- 子犬のような甘えの気持ちが強いサイン
- 飼い主さんへの深い信頼と敬意の現れ
- 自分自身の心を落ち着かせるセルフケアの一面
お腹を見せる「へそ天」との組み合わせ
耳をヒコーキにして、そのままゴロンと仰向けになり、お腹を見せる「へそ天」。これは、犬が取れるポーズの中で最も無防備で、究極の信頼を示しています。弱点であるお腹をさらけ出し、耳もリラックスさせているのは、あなたの前では一ミリも警戒する必要がないと感じているからです。
もし、この状態でお腹を撫でてあげたときに、愛犬が足をバタつかせたり、さらに耳を寝かせたりするなら、それは至福のひとときを過ごしている証拠です。これほどまでに心を開いてくれる存在は、他にはいません。その信頼に全力で応えて、優しいスキンシップをたっぷり取ってあげましょう。
- 急所を見せる、最高レベルの信頼の証
- 敵意がゼロで、完全にリラックスしきった状態
- 「撫でていいよ!」という、愛犬からの直接的なリクエスト
クンクンと鼻を鳴らす甘え鳴きの意味
ヒコーキ耳をしながら「クーン、クーン」と鼻を鳴らすのは、何かを強く求めているときや、寂しさが爆発したときです。これは人間の子供が服の裾を引っ張って甘えるのに似ています。特にお留守番の直後や、おやつを待っている間によく見られるしぐさです。
この鳴き声は「ねえ、もっと私を見て!」「こっちに来て!」という切実な願いです。耳の動きと合わせることで、その要求が「不満」ではなく「純粋な甘え」であることがわかります。愛犬が一生懸命あなたに話しかけているので、相槌を打つように優しく応えてあげると、犬はとても満足した表情になります。
- 「もっと注目して!」という甘えのメッセージ
- 寂しさと再会の喜びが入り混じった切ない声
- コミュニケーションを強く求めているときのサイン
嬉しいサインを見極めて信頼関係を築くコツ
愛犬のヒコーキ耳や様々なサインを理解できるようになると、今度はそれをどう日々の生活に活かすかが重要になってきます。一方的に可愛がるのではなく、犬の気持ちを尊重した接し方を心がけることで、絆はより強固なものになります。最後に、愛犬と一生モノの信頼関係を築くための秘訣をお伝えします。
言葉よりもボディーランゲージを優先する
犬は人間が発する「言葉」そのものよりも、表情や姿勢、声のトーンといった「ボディーランゲージ」を鋭く観察しています。あなたがいくら優しい言葉をかけても、体が強張っていたり、目が怒っていたりすれば、犬はすぐにそれを察知して耳を伏せてしまいます。
愛犬と向き合うときは、あなた自身もリラックスすることが一番大切です。あなたがヒコーキ耳の犬のように穏やかな空気感をまとうことで、愛犬も安心して自分の感情を出すことができます。「心と体で会話する」という意識を持つだけで、犬との距離は驚くほど縮まりますよ。
- 言葉の内容よりも、表情や体のリラックス度を意識する
- 飼い主さん自身の穏やかな空気が、犬の安心に直結する
- 犬と同じ目線で、静かに対話する時間を大切にする
犬が落ち着けるパーソナルスペースを確保する
どんなに甘えん坊な犬でも、一人で静かに過ごしたいときがあります。ヒコーキ耳で甘えてきたときはたっぷり可愛がり、満足して自分のベッドに戻ったときは、そっとしておいてあげる。この「メリハリ」が、犬に「この飼い主さんは自分の気持ちをわかってくれる」という安心感を与えます。
家の中に、誰にも邪魔されない「愛犬専用の安心基地」を作ってあげましょう。そこに入っているときは、たとえ可愛いヒコーキ耳が見えても、無理に引きずり出したり触り続けたりしないのがマナーです。適切な距離感を保つことが、結果として深い信頼を生みます。
- 甘える時間と、一人で休む時間の区別をしっかりつける
- 愛犬の「拒否」や「休憩」のサインも見逃さず尊重する
- お互いにとって心地よい、付かず離れずの距離を見つける
嫌がることを無理にしない「引き時」の判断
犬が耳を後ろに伏せ、目をそらしたり、あくびをしたりしているときは、それは喜びではなく「もうやめてほしい」というストレスのサインです。ヒコーキ耳と見間違えやすいですが、愛犬の表情が曇っていると感じたら、すぐにスキンシップを中断しましょう。
「愛犬のため」と思ってしているブラッシングや爪切りなども、犬が嫌がって耳を伏せているなら、無理強いは禁物です。少しずつ慣らしたり、おやつを使って楽しいイメージを植え付けたりして、愛犬の「嫌だ」という気持ちに寄り添ってあげてください。その丁寧な歩み寄りこそが、信頼関係という大きな果実を実らせます。
- ストレスサインを見せたら、すぐに今の行動を止める
- 犬のペースに合わせて、苦手なことを少しずつ克服する
- 「無理をさせない」という姿勢が、愛犬の心を救う
まとめ:ヒコーキ耳は愛犬からの「大好き」の招待状
愛犬が耳をペタンと倒して近づいてくるヒコーキ耳は、あなたへの深い愛情と信頼が詰まった、世界で一番可愛いメッセージです。その小さな変化に気づき、優しく応えてあげることで、愛犬との生活はもっと豊かで幸せなものになります。
- ヒコーキ耳は、敵意がなくリラックスした「大好き」のサイン
- 立ち耳の犬は横に倒れ、垂れ耳の犬は付け根が後ろに引かれる
- 恐怖のときは耳が真後ろに張り付き、白目が見えるのが見分け方
- 幸せホルモン「オキシトシン」が出て、心身ともに満たされている状態
- 甘えてきたら、穏やかな声と優しいスキンシップで応えてあげる
- 耳を常に下げていたり、痒がったりする場合は病気の可能性も考える
- 信頼関係の基本は、犬のサインを正しく読み取り尊重すること
愛犬の耳の動き一つひとつに、その日その時の感情が宿っています。今日からぜひ、愛犬の耳をじっくり観察してみてください。きっと、今まで気づかなかった新しい「大好き」のサインが見つかるはずですよ。

