愛犬が一生懸命に前足で顔をこすっている姿、可愛いですよね。でも「もしかしてどこか痒いの?」「目にゴミが入ったのかな?」と、飼い主さんとしては心配になることも多いはずです。実は、犬が顔をかく理由には、放っておいても大丈夫な自然な仕草と、早めに病院へ行くべき病気のサインの2種類があります。
この記事では、犬がなぜ顔をかくのか、その心理や体の仕組みをわかりやすくお伝えします。最後まで読むと、愛犬のちょっとした変化に気づき、お家でどんなケアをしてあげればいいのかがはっきりわかるようになりますよ。
犬が足で顔をかく一番の理由
犬が顔をかくのは、人間が洗顔をしたり顔を拭いたりするのと同じような感覚です。基本的には「汚れを落としたい」「不快感をなくしたい」という素直な気持ちからくる行動ですので、まずは安心してください。
ご飯のあとに口周りをきれいにしたい
犬にとって食事のあとは、口の周りに食べかすや水分がついていて、とても気になるタイミングです。特にウェットフードや手作りご飯を食べている子は、口元が汚れやすいため、前足を使ってゴシゴシと拭き取るような動きを見せます。
これは野生時代の名残でもあり、獲物を食べたあとに獲物のにおいや汚れを落とす「セルフグルーミング」の一種です。汚れをそのままにしておくと皮膚トラブルの原因になるため、犬は本能的に自分の顔を清潔に保とうとしています。
- 食後すぐに顔を洗うような仕草をする
- 口の周りをカーペットや前足にこすりつける
- 水分を摂ったあとに口元を気にする
自分のにおいを体につけて安心したい
犬は自分のにおいがついている場所にいると、とてもリラックスできます。前足には地面を歩いたときのにおいや、自分自身の体臭がしっかりついているため、それを顔にこすりつけることで自分のにおいを再確認し、心を落ち着かせようとしているのです。
お散歩から帰ってきたあとや、新しいクッションに座ったときなどにこの行動が見られるなら、それは「ここは自分の場所だ」と安心感を得るための作業です。不安を感じているときや、環境が変わったときにも自分を落ち着かせるために行うことがあります。
- 新しいおもちゃやベッドを使い始めたとき
- お風呂上がりで自分のにおいが消えてしまったとき
- 知らない人が家に来て少し緊張しているとき
軽いムズムズ感を解消したい
人間と同じように、犬もちょっとしたホコリがついたり、毛先が目に入りそうになったりすると「ムズムズ」を感じます。その小さな不快感を解消するために、パパッと前足で顔を払うような動作をすることがあります。
これは一過性のものなので、数回かいて満足しているようなら心配はいりません。散歩中に草むらに入ったあとなどは、小さな種や花粉がついていることもあるので、軽く見てあげるといいですね。
- お散歩から帰ってきた直後の動作
- 換毛期で抜け毛が顔周りに飛んでいるとき
- ホコリっぽい場所を通ったあとの反応
眠い時の仕草で顔をかく心理
愛犬がウトウトしながら顔をこすっている姿は、まさに「眠いサイン」です。これには犬の体温調節や、眠りに入るための準備運動が深く関わっています。
犬は眠たくなると、耳の付け根や顔周りの体温がグッと上がります。血行が良くなることで皮膚の感覚が敏感になり、人間がお風呂上がりに体が痒くなるのと同じように、軽い痒みやムズムズ感を感じる仕組みです。
特に耳の周りが熱くなっているときは、眠気がピークに達している証拠なので、静かに寝かせてあげましょう。
体温が上がって皮膚が痒くなる
犬が眠気を感じると、体内の熱を逃がそうとして末端の血管が広がります。特に毛が薄い顔周りや耳付近は温度の変化を感じやすく、このときの「じわじわ」とした感覚を解消するために、前足で顔をこすってしまうのです。
これは生理現象なので全く問題ありませんが、かきすぎて目が赤くなっていないかだけチェックしてあげてください。眠気が覚めれば体温も落ち着くため、自然とかく動作も止まります。
- 耳の付け根を触るといつもより熱い
- ウトウトしながらゆっくり顔をこする
- 寝る直前にだけ見られるルーティン
寝る前の準備として顔を整える
犬にとって寝る前の顔こすりは、布団を整えるのと同じような「儀式」に近い行動です。自分のにおいを寝床や顔に馴染ませることで、「これから寝るぞ」というリラックスモードへスイッチを切り替えています。
この仕草が見られたら、愛犬が安心して眠りにつける準備が整ったということです。無理に止めたりせず、優しい目で見守ってあげるのが一番ですね。
- 寝床をホリホリしたあとに顔をこする
- あくびをしながら前足で顔を覆う
- お気に入りの毛布に顔を押し付ける
眠気を紛らわせようとしている
遊びたいけれど眠い、という葛藤があるときに、自分で顔を刺激して眠気を飛ばそうとすることがあります。子供が眠くて目をこするのとよく似た行動で、ちょっとした刺激を与えることで意識をはっきりさせようとしているのです。
特に、飼い主さんが近くにいて「まだ遊びたい!」と思っているときによく見られます。頑張って目を開けようとしながら顔をかいているときは、そっと撫でて落ち着かせてあげるとスムーズに寝てくれます。
- 目がトロンとしているのに顔をかく
- 遊んでいる最中に急に顔をこすり始める
- 飼い主さんの顔を見ながら必死に手を動かす
注意したい病気のサインの見極め方
ただの仕草だと思っていたら、実は病気が隠れていたというケースもあります。「いつもよりしつこいな」と感じたら、以下のポイントをじっくり観察してみてください。
正常な仕草との大きな違いは、「頻度」と「皮膚の状態」です。1日に何度も同じ場所をかいていたり、皮膚が赤くなっていたりする場合は、早めの対処が必要になります。特に夜中も起きてかき続けている場合は、犬にとって強いストレスになっている可能性が高いです。
皮膚に赤みやブツブツが出ている
毛をかき分けて皮膚をチェックしたときに、ピンク色や赤色に変色していたら要注意です。特に指の間、目の周り、口角などに小さな赤い湿疹(ブツブツ)ができている場合は、細菌感染やアレルギーが疑われます。
「膿皮症(のうひしょう)」という病気では、黄色ブドウ球菌が皮膚で悪さをし、強い痒みを引き起こします。放置すると化膿してじくじくしてくるため、赤みを見つけたらすぐに動物病院へ相談しましょう。
- 皮膚がピンク色を通り越して真っ赤になっている
- ポツポツとした小さな湿疹がある
- かきすぎて皮膚が硬くガサガサになっている
かきすぎて毛が抜けてしまった
顔の一部だけ毛が薄くなっていたり、完全にはげたりしている場合は、かなりの頻度でかいている証拠です。犬の爪は鋭いため、何度も繰り返しかくことで毛根がダメージを受け、毛が抜けてしまいます。
特に目の周りがパンダのように毛が抜ける場合は、ニキビダニ(アカラス)という寄生虫が原因のこともあります。毛が抜けるほどかくのは「異常事態」だと判断して、専門的な検査を受けることが大切です。
- 左右どちらかの目の周りだけ毛が薄い
- かいている場所の毛が束になって抜ける
- 皮膚が露出して黒ずんできている
患部から嫌なにおいがする
かいている場所から、銀杏のようなにおいや、生臭いにおいがする場合は、菌が繁殖しているサインです。特に「マラセチア」というカビの一種が増えると、皮膚が脂っぽくなり独特のにおいを発します。
健康な犬の肌からは嫌なにおいはしません。耳の入り口や口のシワ付近からいつもと違うにおいがしてきたら、それは菌が異常増殖している証拠です。
- 耳から酸っぱいにおいや生臭いにおいがする
- 顔を拭いたタオルがすぐに臭くなる
- かいたあとの前足から強いにおいがする
皮膚のトラブルが原因で顔をかくケース
犬の顔周りは皮膚が薄く、トラブルが起きやすいデリケートな場所です。特定の菌やアレルギーが原因で、我慢できないほどの痒みに襲われているかもしれません。
主な原因としては、不潔な環境や免疫力の低下、食べ物への反応などが挙げられます。痒みは痛みよりも辛いと言われるほど犬に負担をかけるため、原因を突き止めて根本から治してあげることが重要です。
膿皮症による激しい痒み
膿皮症は、犬の皮膚に常にいる細菌(黄色ブドウ球菌など)が、バリア機能の落ちた皮膚で増えすぎてしまう病気です。顔周りに赤いポツポツができ、それが潰れてかさぶたになることもあります。
初期段階では少し痒がる程度ですが、悪化すると広範囲に広がり、かき壊して血が出てしまうことも珍しくありません。抗生物質の服用や専用のシャンプーで菌を減らす治療が必要になります。
- 顔に黄色い膿を持ったような湿疹がある
- 円形のハゲやかさぶたができている
- 湿疹の周りの皮が剥けている
マラセチア菌によるベタつき
マラセチアは健康な犬の皮膚にもいますが、皮脂が増えすぎたり湿気が多かったりすると爆発的に増えます。この菌が増えると、皮膚がベタベタになり、脂漏臭(しろうしゅう)と呼ばれる強いにおいが発生します。
特に口の周りや耳の付け根など、湿気がこもりやすい場所で増えやすいのが特徴です。痒みが非常に強いため、壁や床に顔を押し付けてこすりつけるような動作を繰り返します。
- 触ると指がベタつくような脂っぽさがある
- 皮膚が厚くなり、象の肌のようにゴワゴワしている
- 赤茶色の耳垢や汚れが顔周りにつく
アレルギーによる突発的な反応
特定のドッグフードや花粉、ハウスダストに反応して顔をかくことがあります。食物アレルギーの場合、食べた直後から15分後くらいに顔周りや耳、お腹などを激しくかくのが典型的なパターンです。
「今まで大丈夫だったから」と思っても、突然発症するのがアレルギーの怖いところです。おやつの種類を変えたあとなどに顔をかくようになったなら、その食べ物が体に合っていないサインかもしれません。
- ご飯を食べた直後に必ず顔をかく
- 目の周りや口元が急に赤く腫れる
- 季節によって(春や秋など)痒みが強くなる
目や耳の違和感で顔をかいてしまうとき
顔をかいているように見えて、実はターゲットは「目」や「耳」であることも多いです。これらは皮膚病とはまた別の痛みや不快感を伴います。
目や耳は非常に繊細な器官なので、前足でガシガシとかいてしまうと、さらに傷口を広げてしまう危険があります。特に「片方だけ」を執拗にかいているときは、その奥に深刻なトラブルが潜んでいる可能性が高いです。
目の傷によるゴロゴロ感
散歩中に草の先で目を突いたり、逆さまつげが当たっていたりすると、犬は違和感から目をこすります。これを放っておくと「角膜潰瘍(かくまくかいよう)」という目に穴が開くような病気に進行しかねません。
目が開けにくそうだったり、涙が止まらなかったりする場合は、すぐにチェックが必要です。犬が目をこすろうとしたら、エリザベスカラーなどで物理的にガードして、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
- 目がしょぼしょぼして、まばたきが多い
- 目ヤニの色が黄色や緑色で粘り気がある
- 白目の部分が充血して真っ赤になっている
涙やけによる皮膚の炎症
涙が溢れて目の下の毛が常に濡れている状態(涙やけ)は、雑菌が繁殖しやすく、皮膚炎を起こして痒くなります。涙に含まれる成分が皮膚を刺激し、ヒリヒリとした痛みや痒みを引き起こすのです。
濡れたまま放置すると、その場所が茶色く変色し、においもきつくなります。こまめに清潔なコットンで拭いてあげることが、痒みを防ぐ一番の近道です。
- 目の下の毛が常に湿っている
- 涙やけの部分を足で狙うようにかいている
- 涙やけの場所の皮膚が赤くなっている
外耳炎による耳の奥の不快感
耳の入り口付近を前足で激しくかいたり、頭を左右にブンブン振ったりするのは、外耳炎のサインです。耳の中が蒸れて菌が増えると、耳の奥から顔の側面にかけて強い不快感が生じます。
犬にとっては「耳が痒いのか顔が痒いのか」区別がつかず、とにかく顔の横側をかきむしってしまうことがあります。耳の中を覗いて、真っ黒な汚れがあったり赤くなっていたりしたら、耳の病気を疑ってください。
- 耳の付け根を触ると「クチュクチュ」と音がする
- 壁に耳を押し付けるようにして歩く
- 耳の中からツンとする嫌なにおいが漂う
歯や口の痛みから顔をかく症状
意外と見落としがちなのが「歯」の原因です。顔の表面ではなく、顔の皮膚のすぐ下を通っている歯の根っこが痛むことで、顔をかいて紛らわそうとすることがあります。
特にシニア犬(7歳以上)で、歯石が溜まっている子によく見られる症状です。「皮膚はきれいなのになぜか顔をかく」というときは、口の中をチェックしてみてください。
歯周病が顔の皮膚まで悪化している
歯周病が進行して、歯の根っこに膿が溜まる「根尖周囲炎(こんせんしゅういえん)」になると、その膿が顔の皮膚を突き破って出てくることがあります。これは「外歯瘻(がいしろう)」と呼ばれ、目の下の皮膚がぷっくりと腫れるのが特徴です。
腫れている場所を犬が気にしたり、痛がったりして顔をかくようになります。単なる皮膚の腫れだと思って軟膏を塗っても治らず、原因である歯を抜かない限り解決しません。
- 目の下の皮膚が急に盛り上がってきた
- 口臭が以前よりも明らかにきつくなった
- 顔の横を触ろうとすると嫌がって逃げる
歯ぐきの腫れによる違和感
歯肉炎で歯ぐきが腫れると、口元がジンジンと痛んだりムズムズしたりします。犬はその不快感を「口の周りが痒い」と感じて、前足でゴシゴシとこすってしまうのです。
特に硬いおもちゃを噛んだあとに顔をかき始める場合は、弱っている歯ぐきから出血しているかもしれません。健康な歯ぐきは薄いピンク色ですが、赤紫色になっている場合は炎症が起きています。
- 歯ぐきの境目が真っ赤に腫れている
- 食べ物を食べるときにポロッと口からこぼす
- 片方の口角を気にして前足で払う動きをする
口の中に異物が挟まっている
歯と歯の間にガムのカスや木の枝が挟まっているときも、犬は必死に顔をかいて取り除こうとします。人間が爪楊枝を使いたくなるのと同じ心理ですが、犬は前足で顔ごとこするしかありません。
そのままにしておくと炎症の原因になるため、愛犬が口をクチャクチャさせながら顔をかいていたら、何か挟まっていないか確認してあげましょう。上顎の奥の方に挟まっていることもあるので、懐中電灯などで照らして見てあげてください。
- 口を半分開けたまま、前足で口元をかく
- よだれがいつもより多く出ている
- 何かに執着するように1箇所だけをかき続ける
犬種ごとの特徴と顔をかく頻度の関係
犬種によって、顔の構造や体質は大きく異なります。愛犬のルーツを知ることで、なぜ顔をかきやすいのか、どんなトラブルに気をつけるべきかが明確になります。
例えば、シワが多い犬種や耳が垂れている犬種は、構造的に汚れが溜まりやすく、こまめなケアが必要です。自分の愛犬のタイプに合わせた「予防」を知っておくだけで、痒みのトラブルは大幅に減らすことができます。
シワの多い犬種が注意すべきこと
パグやフレンチブルドッグ、パピヨン(の顔周り)など、顔にシワがある犬種は「シワの間」が最大の注意ポイントです。シワの間には湿気と汚れが溜まりやすく、そこが炎症を起こして「指間炎」ならぬ「顔のシワの炎症」を引き起こします。
シワの中が蒸れると、マラセチア菌などが繁殖しやすくなり、強烈な痒みが発生します。お顔が平らな犬種は、ご飯を食べたあとにシワの中に食べかすが入り込みやすいため、食後のチェックが欠かせません。
- シワを広げると中の皮膚が赤くなっている
- シワの中から酸っぱいにおいがする
- シワの部分を狙って前足を差し込むようにかく
垂れ耳の犬種に多いトラブル
トイプードルやコッカースパニエル、ダックスフンドなどの垂れ耳犬種は、耳の中の通気性が悪いため外耳炎になりやすいです。耳の中が痒くなると、耳そのものだけでなく、頬や目の横あたりを激しくかきます。
耳の穴に毛が生えている犬種は、さらに湿気がこもりやすいため、定期的な耳掃除や耳毛抜きが推奨されます。耳の問題は「顔かき」として現れることが非常に多いので、垂れ耳の子は常に耳の状態をセットで確認しましょう。
- 耳をめくると中が湿っている
- 頭を振ったときに「パタパタ」と大きな音がする
- 耳の入り口の毛がベタついている
被毛の長い犬種の手入れ
マルチーズやヨークシャーテリアなど、顔の周りの毛が長く伸びる犬種は、毛先が目や口に入ることが痒みの原因になります。また、目ヤニが毛に絡まって固まると、その下の皮膚が蒸れて不潔になりがちです。
毛が目に入ると涙が増え、さらにその湿気で皮膚が痒くなるという悪循環に陥ります。顔周りの毛をスッキリ短くカットする(テディベアカットなど)か、トップノットで結んであげると、顔をかく頻度は劇的に下がります。
- 顔の毛が目に入って、常に涙目になっている
- 口周りの毛が食べ物でカピカピに固まっている
- 毛玉が顔の皮膚を引っ張って刺激になっている
飼い主がやるべき顔周りの手入れ
愛犬が顔をかくのを防ぐためには、病院へ行く前の「日頃のケア」がとても大切です。ちょっとした習慣で、皮膚のバリア機能を守ってあげることができます。
特別な道具は必要ありません。家庭にあるものや、ペットショップで手に入るもので十分対応可能です。大切なのは「優しく」「こまめに」続けることです。
ぬるま湯で優しく拭き取る
食後やお散歩のあとは、ぬるま湯で湿らせた柔らかいガーゼやコットンで、顔を優しく拭いてあげましょう。市販のウェットティッシュも便利ですが、アルコールが含まれているものは刺激が強いので、ノンアルコールのものを選んでください。
ゴシゴシこするのは厳禁です。皮膚を傷めないよう、トントンと優しく押し当てるようにして汚れを吸い取ります。拭いたあとは乾いたタオルやドライヤーの弱風で、湿気を飛ばしてあげると完璧です。
- 人肌程度のぬるま湯を使う(冷たすぎず熱すぎず)
- 目元や口元は専用のコットンを分ける
- 最後は必ず「乾燥」させることを忘れない
シワの間を清潔に保つコツ
シワのある犬種は、シワを優しく指で広げて、中の汚れを直接拭き取ります。ここには皮脂や涙が溜まりやすいため、1日1回はチェックしてあげたい場所です。
もしシワの中が少し赤くなっているなら、動物病院で処方された保湿剤や洗浄液を使うのも効果的です。「シワの中は常にサラサラ」という状態を目指すと、痒みは起こりにくくなります。
- シワを優しく広げて、奥の汚れまで確認する
- 湿気が残らないよう、綿棒やコットンで水分を吸い取る
- おやつをあげながら、楽しい時間として定着させる
爪を短く切っておく重要性
もし顔をかいてしまったとしても、爪が短く丸く整えられていれば、皮膚を深く傷つけるリスクを減らせます。犬の爪は放っておくとどんどん伸びて鋭くなり、少しこすっただけで出血の原因になります。
「パチン」という音がするまで伸びていたら切り時です。特に狼爪(前足の内側にある爪)は顔にかかりやすいため、ここだけでも常に短くしておくと安心です。
- 月に1〜2回は爪の長さをチェックする
- 切りっぱなしにせず、ヤスリで角を丸くする
- 自分でするのが怖い場合は、サロンや病院にお願いする
病院へ行くべきか迷うときの目安
「この程度で病院に行ってもいいのかな?」と迷う飼い主さんは多いですが、犬が明らかに「痒そう」にしているなら、それは立派な受診の理由になります。
以下の3つのパターンのどれかに当てはまるなら、自力で治すのは難しい段階です。早めに受診することで、治療期間も短く済み、愛犬のストレスも最小限に抑えられます。
かく動作が止まらないとき
名前を呼んでも、おやつを見せても、かくのを止められないほど没頭しているときは、かなりの痒みや痛みを感じています。通常の仕草であれば、他の刺激があればすぐに止めるものです。
また、かく頻度がどんどん増えて、1時間に何度もかいているような場合も危険信号です。「日常生活に支障が出ている」と感じたら、すぐに専門家の診断を仰いでください。
- 夜中にかきむしる音で起きてしまう
- 散歩や食事を中断してまでかこうとする
- 止めてもしつこくかき続ける
患部が熱を持っている場合
かいている場所を触ったときに、他の場所に比べて熱い(熱感がある)ときは、中で炎症が起きています。これは体が細菌と戦っている証拠であり、放置すると化膿して重症化する恐れがあります。
熱を持っているだけでなく、少し腫れているように見えたら、さらに緊急性は高まります。保冷剤をタオルで巻いて冷やしながら、その日のうちに病院へ行くのがベストな対応です。
- 耳や頬が赤く腫れて、熱を帯びている
- 触ると犬が「痛い!」と鳴いたり怒ったりする
- 腫れている場所から液体が滲み出ている
食欲や元気がなくなってきたら
顔をかくだけでなく、元気がなかったり、大好きなおやつを残したりする場合は、顔周りの痛みが全身に影響を及ぼしています。特に口の中のトラブル(歯周病など)は、食べたいのに食べられないという辛い状況を作ります。
皮膚の痒みも、ひどくなると眠れなくなり、体力を著しく消耗させます。「たかが痒み」と思わず、犬の体調全体を見て判断してあげましょう。
- 顔を気にする仕草のほかに、ぐったりしている
- 顔を触られるのを極端に怖がるようになった
- 食べたそうにするが、一口食べてやめてしまう
まとめ:愛犬の顔かきは「早めの観察」で安心に変えられる
犬が顔をかく理由には、眠い時の可愛い仕草から、治療が必要な病気のサインまで様々です。大切なのは、日頃から愛犬の顔をよく見て、においを嗅いで、皮膚の状態をチェックしておくことです。
- 眠い時の顔かきは生理現象なので、優しく見守るだけでOK
- 食後の顔かきは、拭いてあげることで皮膚トラブルを予防できる
- 皮膚の赤み、脱毛、嫌なにおいがあればすぐに動物病院へ
- 目や耳のトラブルは、顔かきとして現れることが多いので要注意
- シニア犬の顔かきは、歯の病気が隠れている可能性を疑う
- シワの掃除や爪切りなど、お家でのこまめなケアが痒みを防ぐ
- 名前を呼んでも止まらないほどの痒みは、迷わずプロを頼る
愛犬が毎日をご機嫌に過ごせるよう、ちょっとした「顔のケア」を今日のスキンシップに取り入れてみてくださいね。あなたの優しいひと手間が、愛犬の健やかな暮らしを守る一番の薬になります。

