「ポメラニアンの鳴き声が高すぎて、耳が痛い」「近所迷惑になっていないか不安でたまらない」と悩んでいませんか。ふわふわで可愛いポメラニアンですが、いざ吠え始めるとその声量は想像を絶するもの。実はポメラニアンの鳴き声は、騒々しい工場の中と同じくらいの音量(90〜100デジベル)が出ることもあるんです。
この記事では、そんなポメラニアンの鳴き癖に振り回されないための、具体的で即効性のある対処法をお伝えします。読めば、今日から愛犬との静かで穏やかな生活を取り戻す一歩が踏み出せますよ。
ポメラニアンの鳴き声がうるさい時にまず試すべき解決策
「今すぐこの声を止めてほしい!」という時に、反射的に「コラ!」と怒鳴っていませんか。実は、飼い主さんが大きな声を出すと、犬は「一緒に盛り上がってくれている!」と勘違いしてさらにヒートアップしてしまいます。まずは冷静に、犬の脳のスイッチを切り替えることが先決です。
目を合わせずその場から静かに離れる
ポメラニアンが飼い主さんの気を引こうとして吠えている場合、「反応をもらえること」が犬にとっての最大のご褒美になってしまいます。 鳴き始めたら、まずはスッと立ち上がり、別の部屋へ移動してください。
この時、決して「ダメでしょ」などと声をかけてはいけません。目も合わさず、完全に存在を消すように振る舞うのがコツです。数分して鳴き止んだら戻る、これを繰り返すことで「吠えても誰も相手をしてくれない」と理解させることができます。
- 犬が吠えた瞬間に、無言で部屋を出る
- ドアを閉めて、1分から2分ほど完全に隔離する
- 鳴き止んで静かになったタイミングで部屋に戻る
吠えるのをやめた瞬間に好物を与える
「吠えていない状態」を褒めるのが、しつけの鉄則です。鳴き止んでふと静かになったその1秒を逃さず、一口サイズにちぎったササミや小粒のクッキーを口に放り込んであげてください。
最初は偶然で構いません。「静かにしていたら、いいことが起きた!」という成功体験を1日に何度も積み重ねることが重要です。これを繰り返すと、犬は自ら「次のおやつをもらうために、静かに待っていよう」と考えるようになります。
- 静かになった瞬間、0.5秒以内に褒める
- おやつは噛まずに飲み込めるほど小さくする
- 「静かだね」と優しいトーンで声を添える
指示を出して座らせて意識を切り替える
興奮して吠え続けている時は、脳が「吠えるモード」で固定されています。そこで「オスワリ」や「フセ」といった使い慣れたコマンド(指示)を出し、別の行動をさせることで興奮のループを断ち切りましょう。
座るという動作は、犬の体を物理的に安定させ、気持ちを落ち着かせる効果があります。指示に従えたら、しっかり褒めてあげることで、吠えることへの執着を薄れさせることができます。
- 低い落ち着いた声で「オスワリ」と一言だけ伝える
- 座ったらすぐに撫でてあげて、安心感を与える
- 興奮が冷めないようなら、指示を2、3回繰り返して集中させる
なぜこんなに吠える?ポメラニアンの性格と鳴き声の理由
ポメラニアンがよく吠えるのには、何千年もかけて作られてきた歴史的な理由があります。彼らは決して意地悪で吠えているわけではなく、自分の役割を全うしようとしているだけなのです。理由を知ることで、愛犬への見方が少し優しくなるはずですよ。
番犬として活躍したスピッツ族のルーツ
ポメラニアンは、サモエドなどの大型犬を祖先に持つ「スピッツ」の仲間です。かつては牧羊犬や番犬として、異変を知らせるのが仕事でした。小さな体になっても「異変を察知して知らせる」という本能が強く残っているのです。
そのため、ほんの少しの物音や影にも敏感に反応します。「うるさい犬」ではなく「とても優秀な警備員」なのだと理解してあげましょう。本能を否定するのではなく、正しくコントロールする方向で考えていくのが正解です。
- ルーツは極寒の地でソリを引いていたサモエド
- 外敵から家を守るための「警告吠え」が得意な犬種
- 聴覚が非常に発達しており、人間には聞こえない音も察知する
飼い主への甘えや依存心が強い性質
ポメラニアンは非常に愛情深く、飼い主さんと一緒にいることを何よりの喜びと感じます。その反面、依存心が強くなりやすく「自分だけを見てほしい!」という気持ちが吠えにつながることが多いです。
少しでも視線が外れたり、スマホを触っていたりするだけで、「こっち向いて!」と鳴いてアピールします。これは「要求吠え」と呼ばれるもので、ポメラニアン特有の甘えん坊な気質が強く出た結果と言えるでしょう。
- 飼い主の行動を常にストーキングするほど依存しやすい
- 孤独を嫌い、少しの別離でも不安を感じやすい
- 「鳴けば構ってもらえる」という学習能力が非常に高い
臆病さと警戒心が裏返しになった威嚇
ポメラニアンは、自分よりも大きなものに対して「怖い!」と感じた時、それを遠ざけるために一生懸命吠えます。「近寄るな!」という必死の警告が、私たちにはうるさい鳴き声として聞こえているのです。
特に、生後3週から12週前後の「社会化期」に外の世界の刺激を十分に受けていないと、成犬になってから極端に臆病になる傾向があります。自分を守るための精一杯の防御反応なのだと受け止めてあげてください。
- インターホンや他人の足音を「敵」とみなす
- 体の小ささを補うために、大きな声で威嚇する
- 不安な時ほど、甲高い声で連続して鳴き続ける
玄関チャイムや物音に過敏に反応する時の教え方
「ピンポーン」という音に反応して狂ったように吠えるのは、ポメラニアン飼い主さんの共通の悩みですよね。これは「音が鳴る=知らない人が来る=怖い」という図式が出来上がっているからです。この図式を楽しいものに書き換えていきましょう。
チャイムの音にプラスのイメージをつける練習
チャイムが鳴ったら怖いことが起きるのではなく、「チャイムが鳴ると、世界で一番おいしいおやつが出てくる」というルールを作ります。 家族に協力してもらい、外からチャイムを鳴らしてもらった瞬間に、最高級のおやつをあげてください。
これを何度も繰り返すと、チャイムが鳴った瞬間に、犬は吠えるのを忘れて飼い主さんの顔を期待に満ちた目で見つめるようになります。「チャイム=おやつタイム」と脳に覚え込ませるのが勝利の鍵です。
- スマホで録音したチャイム音を小さな音量から聞かせる
- 音が鳴った瞬間に、普段はあげない特別な好物を与える
- 吠える暇を与えないスピード感で報酬を出す
クレートやハウスを絶対的な安心基地にする
外の物音が怖い時、逃げ込める場所があるだけで犬の不安はグッと減ります。屋根のあるクレートやハウスを、誰にも邪魔されない「自分だけの聖域」にしてあげましょう。
チャイムが鳴ったら「ハウス」の指示でそこへ行くようにしつけます。狭い場所は犬の本能を落ち着かせる効果があるため、中に入るだけで自然と吠える勢いが収まります。ハウスの中でおやつをあげる習慣をつければ、自ら進んで避難するようになりますよ。
- ハウスを部屋の隅の、静かで落ち着ける場所に配置する
- 中にふかふかの毛布やお気に入りのおもちゃを置く
- 「ハウスに入れば安全だ」と犬に100%信頼させる
窓から外の景色が見えないよう目隠しをする
ポメラニアンは視覚的な刺激にも非常に敏感です。窓の外を通る人や車、鳥の影が見えるたびに「不審者だ!」と報告してくれます。物理的に「見えなくする」だけで、鳴き声の回数は劇的に減ります。
窓の下半分に目隠しシートを貼ったり、カーテンを閉めたりするだけで効果があります。無駄な刺激をカットしてあげることは、犬にとっても「見張りをしなくていい」という心の平穏につながります。
- 窓ガラスに貼るタイプの「曇りガラスシート」を活用する
- 犬の目線(床から30cm程度)を重点的に隠す
- 外の様子が気にならないよう、ケージの向きを工夫する
飼い主に要求して吠え続ける時に無視するコツ
ご飯の時間や遊びたい時、ポメラニアンは「今すぐやって!」と激しく催促してきます。ここで応じてしまうと「吠えれば言うことを聞く召使い」だと思われてしまいます。心を鬼にして「無視」を徹底しましょう。
鳴き止むまで背中を向けて存在を消す
無視とは単に黙ることではありません。「あなたのことは全く見えていないし、聞こえていない」という態度を全身で示すことです。 犬が吠えたら即座に背中を向け、腕を組んで天井を見上げましょう。
どれだけうるさくても、1回でもチラッと見てしまったら無視は失敗です。「あ、今目が合った!もっと吠えれば勝てるかも」と犬に期待させてしまいます。完全に静かになるまで、石像のように固まってください。
- 一切のアイコンタクトを遮断する
- 話しかけたり、手で制止したりするのもNG
- 静かになってから5秒ほど待って、初めて振り返る
家族全員で対応のルールを一貫させる
しつけが失敗する最大の原因は、家族の中で対応がバラバラなことです。「お母さんは無視するけど、お父さんはおやつをあげちゃう」という状態では、犬は混乱し、より強く吠えるようになります。
「吠えている間は、誰一人として相手をしない」というルールを家族全員で共有してください。 1人でも例外を作ると、犬の学習はリセットされてしまいます。家族の団結力が、鳴き声問題を解決する最短ルートです。
- 家族会議を開いて、対応マニュアルを統一する
- 「かわいそうだから」という情けは、犬のためにならないと理解する
- 来客時も同様に、吠えている間は無視してもらうよう頼む
吠えている間は絶対に要求を叶えない
「あまりにうるさいから、今回だけおやつをあげて黙らせよう」という妥協が一番危険です。これは犬にとって**「吠え続ければ、いつかは要求が通る」という最も強力な成功体験になってしまいます。**
一度無視を始めたら、たとえ30分吠え続けても貫き通してください。犬が諦めて座り込んだり、寝転んだりした時こそ、求めていたものを与えるチャンスです。「静かに待つのが一番の近道だ」と教え込みましょう。
- 要求(ご飯、散歩、遊び)は静かな時にしか提供しない
- 吠え疲れてあくびをしたり、視線を外したりした瞬間を狙う
- 「うるさいから散歩に行く」という負の連鎖を断ち切る
留守番中に鳴き続けるストレスを減らす環境づくり
飼い主さんが出かけた後にずっと鳴いている「分離不安」も、ポメラニアンに多い悩みです。近所から苦情が来ないかハラハラしますよね。留守番を「不安な時間」から「夢中で遊ぶ時間」に変えてあげましょう。
外出の30分前から構いすぎない習慣
出かける直前に「いい子にしててね」「すぐ帰るからね」と過剰に声をかけていませんか。これは、これから起きる「お別れ」を強調してしまい、犬の不安を煽るだけです。外出の30分前からは、あえて冷たく接するくらいがちょうど良いのです。
帰宅時も同様です。大喜びで迎えてくれる愛犬をすぐに抱きしめたい気持ちをグッとこらえ、着替えや片付けを済ませて、犬が落ち着いてから静かに挨拶しましょう。外出と帰宅を「日常の些細な出来事」に演出してください。
- 外出準備(鍵を持つ、上着を着る)をわざと何でもない時に行う
- 「行ってきます」の挨拶をせずに、スーッと家を出る
- 帰宅後、犬が飛びついてきても完全に落ち着くまで無視する
夢中になれる知育玩具を用意して意識をそらす
飼い主さんがいなくなった寂しさを忘れるほど、魅力的な遊び道具を準備しましょう。天然ゴム製の「コング」などに、ふやかしたフードや犬用チーズを詰めて凍らせたものが最強の味方です。
これを与えると、犬は中の食べ物を取り出すことに必死になり、ペロペロ舐めることでリラックス効果のあるホルモン(ドーパミン)が分泌されます。飼い主さんがドアを閉める音すら気にならなくなるほど、集中させてしまいましょう。
- 留守番専用の「特別な知育玩具」を決めておく
- 中身が簡単に出ないよう、詰め方を工夫して難易度を上げる
- 飼い主さんがいる間は決して与えず、価値を高める
ラジオやテレビをつけて無音状態を避ける
静まり返った家の中では、外を通る車の音やマンションの廊下の足音が強調されて聞こえます。テレビやラジオをつけっぱなしにして、適度な生活音(ホワイトノイズ)を流してあげましょう。
特に、人の話し声が聞こえる環境は、ポメラニアンに「誰か近くにいる」という安心感を与えます。YouTubeなどで公開されている「犬を落ち着かせる音楽」も一定の効果があります。静寂こそが不安を呼び起こすと覚えておいてください。
- 落ち着いたトーンのニュース番組や対談ラジオがおすすめ
- 音量は、外からの物音を適度にかき消す程度に設定する
- タイマー機能ではなく、帰宅するまで流し続ける
集合住宅でも安心な近隣トラブルを防ぐ防音対策
マンションやアパートでポメラニアンを飼う場合、物理的な防音対策も必須です。しつけには時間がかかりますが、防音設備は導入したその日から効果を発揮します。近隣への配慮を形にしましょう。
壁に吸音パネルを設置して音漏れを防ぐ
ポメラニアンの鳴き声は高音域のため、壁を通り抜けやすい性質があります。特に隣の部屋と接している壁に、厚さ5cm程度の吸音パネルを貼るだけで、外に漏れる音を大幅にカットできます。
最近では、賃貸でも壁を傷つけずに貼れるフェルト製のパネルが市販されています。これを貼ることで、反響音も抑えられるため、室内でも音が響きにくくなり、犬自身の興奮を抑える効果も期待できますよ。
- 高音域のカットが得意な「ウレタンフォーム」や「フェルト」素材を選ぶ
- 鳴き声が最も響く、ケージ周辺の壁に重点的に配置する
- 部屋の角に貼ると、音の反響を効率よく抑えられる
厚手の防音カーテンで窓の外への音を遮る
窓は、家の中で最も音が漏れやすい場所です。「防音」と記載された特殊な4重構造などの厚手カーテンに掛け替えてみてください。 これだけで、外に漏れる鳴き声の大きさを5〜10デジベルほど軽減できます。
防音カーテンは、隙間なく閉めることがポイントです。窓枠よりも一回り大きいサイズを選び、床に少し引きずるくらいの長さにすると、音の漏れる隙間をシャットアウトできます。
- 遮光性も高いものを選べば、外の視線も遮れて一石二鳥
- 「防音」の表記があるか、重みがしっかりあるかを確認する
- レースのカーテンも防音タイプにすると、より効果が高まる
廊下やドアの隙間を埋めるクッション材の活用
意外と盲点なのが、玄関ドアの下にあるわずかな隙間です。ここから廊下に音が漏れ、マンション全体に鳴き声が響き渡ってしまいます。隙間テープやドア専用のクッションを設置して、物理的に密閉しましょう。
また、床に厚さ10mm以上のジョイントマットを敷き詰めるのも有効です。ポメラニアンが走り回る爪の音を吸収し、鳴き声の反響を和らげます。足腰への負担も減らせるので、ポメラニアンには特におすすめの対策です。
| 対策アイテム | 期待できる効果 | おすすめの設置場所 |
| 吸音パネル | 反響音を抑え、壁越しの音を減らす | ケージ裏、隣家側の壁 |
| 防音カーテン | 外への音漏れを5〜10dB軽減 | 掃き出し窓、腰窓 |
| ジョイントマット | 足音の吸収と音の反響防止 | リビング全域、廊下 |
| 隙間テープ | 玄関からの音漏れをピンポイントで防ぐ | 玄関ドア、室内ドアの枠 |
まとめ:ポメラニアンの鳴き声をコントロールして最高のパートナーに
ポメラニアンがうるさく鳴いてしまうのは、彼らなりの理由や本能があるからです。しつけですべてをゼロにするのは難しいですが、飼い主さんの対応ひとつで、その頻度とボリュームは必ず抑えることができます。
- 吠えている間は、視線すら合わせない「完全無視」を貫く。
- 静かにしている時間を逃さず、全力で褒めておやつをあげる。
- 知育玩具を活用して、退屈や不安を感じる暇を与えない。
- 散歩や遊びでエネルギーを正しく発散させ、ストレスを溜めない。
- どうしても解決しない時は、病気や痛みが隠れていないか獣医さんに相談する。
ポメラニアンは賢く、飼い主さんの喜びを敏感に察する犬種です。「うるさい!」と怒るのではなく、「静かにできて偉いね」と伝え続けることで、あなたの愛犬はもっと素敵な家族になってくれますよ。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。

