犬の去勢手術を受ける時期はいつ?かかる費用や体の変化を解説!

病気・健康

「そろそろ去勢手術を考えなきゃ」と思っても、大切な愛犬の体にメスを入れるのは不安ですよね。いつ受けさせるのが一番いいのか、お金はいくら必要なのか、手術の後に性格や体つきが変わってしまうのではないかと心配は尽きないはずです。この記事では、飼い主さんが抱えるモヤモヤを解消するために、手術のベストなタイミングから費用、術後のケアまで具体的にわかりやすくお伝えします。

  1. 去勢手術を受ける最適な時期は生後6ヶ月から1年くらい
    1. 最初の発情やマーキングが始まる前がおすすめ
    2. 乳歯が永久歯に生え変わるタイミングと合わせるメリット
    3. 成犬や老犬になってからでも手術はできる?
  2. 手術の費用は1万5千円から4万円ほどで体重によって変わる
    1. 体格が大きいほど麻酔や薬の量が増えて高くなる
    2. 血液検査や入院費など手術代以外にかかるお金
    3. 精巣が袋に降りていない「停留精巣」は追加料金が必要
  3. 体の変化で目立つのは食欲が増して太りやすくなること
    1. ホルモンバランスが変わることで基礎代謝が落ちる
    2. 去勢した犬専用の低カロリーフードに切り替えるコツ
    3. 運動量はそのままでもお腹周りに脂肪がつきやすくなる
  4. 手術をすることで防げる病気と知っておきたい麻酔のリスク
    1. 精巣や前立腺などオス特有の病気を未然に防ぐ
    2. 全身麻酔による体への負担とパグなどの短頭種が注意する点
    3. 攻撃的な性格や無駄吠えがすべて解決するわけではない
  5. 性格は穏やかになる?手術後のしぐさや行動の変化
    1. 他の犬へのマウンティングや縄張り意識が落ち着く
    2. 家族に対して甘えん坊になる子が多い理由
    3. 恐怖心からくる噛み癖などは変わらないこともある
  6. 前日の絶食や当日の持ち物など飼い主がやるべき準備
    1. 手術前日の夜9時を過ぎたら食べ物を与えない
    2. 当日はキャリーバッグや普段使っているタオルを持参する
    3. 診察券と印鑑、それに助成金の申請書があるか確認
  7. 自宅でのケアはどうする?傷口を守る術後服やカラーの選び方
    1. 傷口をなめないようにエリザベスカラーを装着する
    2. カラーを嫌がる犬には柔らかい素材の術後服が便利
    3. 散歩はいつから行ける?激しい運動を控える期間
  8. 費用の負担を軽くするために自治体の助成金を調べる
    1. お住まいの市区町村に「不妊・去勢手術の補助金」があるか確認
    2. 動物病院で発行してもらう領収書や証明書を保管しておく
    3. 避妊・去勢手術は基本的にペット保険の対象外になる
  9. まとめ:愛犬の健康と暮らしを守る第一歩

去勢手術を受ける最適な時期は生後6ヶ月から1年くらい

多くの飼い主さんが「いつ受けさせればいいんだろう?」とカレンダーを眺めて悩んでいます。早すぎても体に負担がかかりそうですし、遅すぎると困った癖がつきそうで怖いですよね。基本的には、ワンちゃんの体が大人の階段を登り始める少し前のタイミングで検討するのが正解です。まずは、成長スピードに合わせたベストな時期を一緒に確認していきましょう。

最初の発情やマーキングが始まる前がおすすめ

結論から言うと、生後6ヶ月から10ヶ月頃に手術を済ませるのが一番スムーズです。この時期はまだオスとしての本能が強く出ていないため、足を上げてあちこちにおしっこをかける「マーキング」の癖がつくのを防ぎやすいからです。

一度マーキングやメス犬を追いかける癖がしっかりついてしまうと、手術をした後でもその行動が脳に記憶されて残ってしまうことがあります。家の中を汚さないしつけを楽にするためにも、初めての盛り(発情期)が来る前に獣医さんと相談するのが理想的です。

  • 生後6ヶ月から10ヶ月が理想の時期
  • マーキングの癖が定着するのを防げる
  • メス犬への過剰な反応を抑えられる

乳歯が永久歯に生え変わるタイミングと合わせるメリット

生後6ヶ月から8ヶ月頃は、ちょうど子犬の歯が生え変わる時期でもあります。このとき、本来抜けるはずの乳歯が残ってしまう「乳歯遺残」という状態になる子が少なくありません。

手術で全身麻酔をかける際、残った乳歯を一緒に抜いてもらう飼い主さんは非常に多いです。一度の麻酔で去勢と歯の処置を同時に済ませられるので、愛犬の体への負担を最小限に抑えられます。

  • 乳歯遺残の抜歯を同時に行える
  • 麻酔をかける回数を1回に減らせる
  • 歯並びが悪くなるのを防げる

成犬や老犬になってからでも手術はできる?

もちろん、1歳を過ぎた成犬や、シニア期に入ったワンちゃんでも手術自体は可能です。ただ、年齢を重ねるほど心臓や内臓への負担が大きくなるため、事前に念入りな健康診断が必要になります。

高齢になってからだと、病気の治療目的で手術をすることもあります。「もう遅いかも」と諦めず、今の健康状態なら手術に耐えられるかどうかをプロである獣医さんに判断してもらうことが大切です。

  • 何歳になっても手術は可能
  • 高齢の場合は事前の血液検査が必須
  • 病気の予防や治療のために行うケースもある

手術の費用は1万5千円から4万円ほどで体重によって変わる

「動物病院によって値段が全然違うのはどうして?」と驚く方も多いはずです。実は、動物病院の料金は一律ではなく、病院が自由に決めていいルールになっています。また、ワンちゃんの体重が重いほど、使う麻酔や薬の量が増えるため料金が上がっていく仕組みです。ここでは、目安となる料金表を見ながら、実際にかかる費用の内訳を見ていきましょう。

項目小型犬(5kg未満)中型犬(10〜20kg)大型犬(20kg以上)
手術代の目安15,000円〜25,000円25,000円〜35,000円35,000円〜45,000円
事前検査代5,000円〜10,000円5,000円〜10,000円7,000円〜12,000円
術後の薬・抜糸3,000円〜5,000円3,000円〜5,000円4,000円〜7,000円

体格が大きいほど麻酔や薬の量が増えて高くなる

上記の表からもわかる通り、犬のサイズが大きくなるにつれて費用は高くなります。これは単に手間がかかるからではなく、安全に眠らせるための麻酔薬の量が体重に比例して増えるからです。

特に20kgを超える大型犬になると、手術器具やスタッフの人数も多く必要になることがあります。自分の愛犬の今の体重を正確に把握して、あらかじめ電話で「この体重ならいくらくらいか」を聞いておくと安心です。

  • 体重に比例して麻酔薬の量が増える
  • 大型犬は処置料が上乗せされることが多い
  • 事前の体重測定で正確な見積もりが出る

血液検査や入院費など手術代以外にかかるお金

提示された「手術代」だけで安心していると、会計の時に予算オーバーで慌ててしまうかもしれません。実際には、手術ができる健康状態かを調べるための血液検査代や、1泊2日の入院費、術後に飲む抗生物質の代金などが加算されます。

病院によってはすべて込みのパック料金にしているところもありますが、別々に請求されることも珍しくありません。トータルの支払額がいくらになるのか、事前に「全部でいくら必要か」を確認しておきましょう。

  • 血液検査やレントゲンなどの事前検査代
  • 1泊入院させる場合の入院費
  • 退院後に家で飲む痛み止めや抗生物質

精巣が袋に降りていない「停留精巣」は追加料金が必要

本来、タマタマは袋の中に2つ降りてきますが、片方または両方がお腹の中に残ってしまう「停留精巣(潜在精巣)」という子がいます。この場合、袋の外側を切るだけの通常の手術とは違い、お腹を切り開く開腹手術が必要になります。

処置が複雑になり時間もかかるため、通常の料金に1万円から2万円ほど上乗せされるのが一般的です。そのままにしておくと将来的にガンになる確率が非常に高いため、たとえ高くついてもしっかり取り除いてあげてください。

  • お腹を切るため「開腹手術」の扱いになる
  • 通常より1〜2万円ほど費用が上がる
  • 将来的なガンのリスクを回避するために必須

体の変化で目立つのは食欲が増して太りやすくなること

無事に手術が終わって一安心した飼い主さんが、数ヶ月後に口を揃えて言うのが「うちの子、ちょっと太った?」という言葉です。実は、去勢手術をした後のワンちゃんは、それまでと同じ生活をしているだけで太ってしまう魔法にかかったような状態になります。なぜそんなことが起きるのか、どう対処すればいいのかを詳しく解説します。

ホルモンバランスが変わることで基礎代謝が落ちる

手術で精巣を取り除くと、男性ホルモンが作られなくなります。すると不思議なことに、生きているだけでエネルギーを消費する「基礎代謝」が、術前よりも20%から30%ほどガクンと落ちてしまいます。

つまり、今までと同じ量のご飯を食べさせていると、消費しきれなかったエネルギーがすべて脂肪として体に蓄積されてしまうのです。「手術をしたから元気がなくて太った」のではなく「燃費の良い体になったから太る」のだと理解してあげてください。

  • 基礎代謝が術前より20〜30%ダウンする
  • 今までと同じ食事量だと確実に太る
  • ホルモンの変化で食欲自体も増しやすくなる

去勢した犬専用の低カロリーフードに切り替えるコツ

太らせないための最も確実な方法は、食事の種類を見直すことです。ペットショップや動物病院には「避妊・去勢犬用」と書かれたフードが売られており、これらは低カロリーながら満足感が得られるように工夫されています。

急に全部変えると警戒して食べない子もいるので、1週間ほどかけて今までのフードに少しずつ混ぜて慣らしていきましょう。計量カップで適当に測るのではなく、キッチンスケールを使って1g単位で正確に量を決めるのがダイエット成功の近道です。

  • 「避妊・去勢後用」の低カロリーフードを選ぶ
  • 1週間かけてゆっくり新しいご飯に切り替える
  • 毎日決まった量を重さ(g)で測って与える

運動量はそのままでもお腹周りに脂肪がつきやすくなる

「毎日散歩に行っているから大丈夫」と思いがちですが、術後の代謝ダウンを運動だけでカバーするのはかなり大変です。特にオス犬は、ホルモンが減ることで筋肉質だった体つきが少し丸みを帯びた柔らかい質感に変わることがあります。

お腹を触ってみて「あばら骨が指で触れない」状態なら、それはすでに太り気味のサインです。腰のくびれがなくなってしまう前に、おやつの回数を減らすなどの対策を家族全員で徹底しましょう。

  • 散歩だけでは消費カロリーを補いきれない
  • 筋肉が減って脂肪がつきやすい体質に変わる
  • 家族が勝手におやつをあげないようルールを作る

手術をすることで防げる病気と知っておきたい麻酔のリスク

去勢手術は「かわいそう」というイメージを持たれがちですが、実は愛犬の命を守るための強力な盾になります。オス犬がシニア犬になったときに苦しむことが多い特有の病気を、手術1つでほぼ完全に防ぐことができるからです。もちろん、100%安全な手術はありませんので、飼い主として知っておくべきリスクについても包み隠さずお話しします。

精巣や前立腺などオス特有の病気を未然に防ぐ

手術で精巣を摘出することで、精巣自体がガンになる「精巣腫瘍」の心配がゼロになります。また、シニア犬のオスに非常に多い「前立腺肥大」という、おしっこが出にくくなる苦しい病気も高い確率で防げます。

さらにお尻の周りにデコボコができる「肛門周囲腺腫」という良性腫瘍も、男性ホルモンが関係しているため手術で予防可能です。将来、病気になってから体力が落ちた状態で手術をするよりも、若くて元気なうちに予防しておく方が愛犬にとって幸せな場合が多いのです。

  • 精巣腫瘍のリスクを完全になくせる
  • 前立腺肥大による排尿トラブルを防げる
  • お尻周りの腫瘍ができにくくなる

全身麻酔による体への負担とパグなどの短頭種が注意する点

去勢手術は全身麻酔で行います。今の獣医学では事故の確率は極めて低いですが、それでも麻酔アレルギーや呼吸停止などのリスクがゼロではありません。特に、パグやフレンチブルドッグ、シーズーなどの「短頭種(鼻ペチャな犬)」は気道が狭いため、麻酔の管理には細心の注意が必要です。

万が一に備えて、手術前には必ずしっかりとした血液検査を受けさせてください。事前の検査で内臓の数値に問題がないことを確認しておくだけで、麻酔のリスクはぐっと下げることができます。

  • 全身麻酔にはごく稀に副作用のリスクがある
  • 鼻ペチャな犬種は呼吸管理が特に重要
  • 血液検査で今の健康状態を数値で把握する

攻撃的な性格や無駄吠えがすべて解決するわけではない

よく「去勢すれば大人しくなって吠えなくなる」と期待する声を聞きますが、これは半分正解で半分間違いです。男性ホルモンが原因の「メスを巡る争い」や「縄張り意識による威嚇」は軽減されますが、性格そのものが180度変わるわけではありません。

例えば、怖がりで吠えてしまう癖や、おねだりのための無駄吠えなどは、手術後もしつけで直していく必要があります。手術はあくまで「興奮しやすさを抑えるサポート」だと考えて、根気よく向き合ってあげてください。

  • 本能による攻撃性は落ち着くことが多い
  • 元々の性格や学習した癖はそのまま残る
  • 手術後も日々のトレーニングは欠かせない

性格は穏やかになる?手術後のしぐさや行動の変化

手術を終えた愛犬を見て「なんだか雰囲気が柔らかくなった気がする」と感じる飼い主さんは多いです。ギラギラとしたオス特有の尖った感じが取れて、どこか中性的な、子犬の頃のような可愛らしさが戻ってくるような感覚です。具体的にどのような行動の変化が見られるのか、よくあるパターンを紹介します。

他の犬へのマウンティングや縄張り意識が落ち着く

散歩中に他のワンちゃんを見かけるとすぐに上に乗ろうとしたり、執拗にお尻の匂いを嗅いだりする「マウンティング」の行動が目に見えて減ることが多いです。これは性欲からくる衝動が抑えられるためです。

また、家の中の家具にあちこち足を上げておしっこをするマーキング行動も落ち着きます。外でも家の中でも、過剰に自分の強さをアピールする必要がなくなるため、ワンちゃん自身のストレスも軽減されます。

  • 腰を振るマウンティング行動が減る
  • あちこちにマーキングする回数が少なくなる
  • 他のオス犬に対して好戦的になりにくくなる

家族に対して甘えん坊になる子が多い理由

術後は男性ホルモンが減る一方で、家族への依存心や愛情表現が強くなる子がよくいます。それまでは「俺がこの家を守る!」とパトロールに忙しかった子が、膝の上に乗って寝るようになったり、どこへ行くにも付いてきたりするようになります。

これは、闘争心がなくなることで、より安心できる場所(飼い主さんのそば)を求めるようになるからです。今まで以上にベタベタと甘えてくる姿に、飼い主さん側の愛情もさらに深まるはずです。

  • 飼い主さんの後をついて回るようになる
  • 以前よりも抱っこや撫でられるのを喜ぶ
  • 家の中でリラックスして過ごす時間が増える

恐怖心からくる噛み癖などは変わらないこともある

注意したいのは「嫌なことをされたときに噛む」といった拒絶反応です。これはホルモンとは関係なく、ワンちゃんが過去の経験から「こうすれば嫌なことから逃げられる」と学んだ行動だからです。

病院が嫌い、爪切りが嫌いといった理由で出る攻撃性は、手術をしたからといって魔法のように消えることはありません。行動の変化を過信せず、専門のドッグトレーナーに相談するなど、個別のトレーニングを続けていくことが大切です。

  • 恐怖や嫌悪感からくる攻撃性はそのまま
  • 不適切な社会化が原因の吠え癖も残る
  • 手術としつけをセットで考える必要がある

前日の絶食や当日の持ち物など飼い主がやるべき準備

手術当日の朝になって「ご飯をあげちゃった!」と慌てて病院に電話するケースは意外と多いものです。もし胃の中に食べ物が残っている状態で麻酔をかけると、吐いたものが喉に詰まって窒息してしまう危険があります。愛犬の命を守るために、前日の夜から始まる準備をしっかり頭に叩き込んでおきましょう。

手術前日の夜9時を過ぎたら食べ物を与えない

多くの病院では、手術前日の夜9時頃までに食事を済ませるよう指示されます。それ以降は、翌日の手術が終わるまで一口もおやつやご飯をあげてはいけません。

「少しだけならバレないだろう」という甘い考えは厳禁です。手術中に嘔吐して肺に入ってしまうと、命に関わる誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるからです。かわいそうに思えますが、愛犬のために心を鬼にして、家族全員で食事制限を徹底してください。

  • 前日の夜9時以降は一切の食事を禁止する
  • 当日の朝は水も飲ませていいか事前に確認する
  • 家族が内緒でおやつをあげないよう周知する

当日はキャリーバッグや普段使っているタオルを持参する

病院へ行くときは、しっかり蓋が閉まるキャリーバッグに入れましょう。手術前の不安な気持ちを和らげるために、自分の匂いや飼い主さんの匂いがついたタオルを敷いてあげると、ワンちゃんが少しだけリラックスできます。

退院の際も、麻酔から覚めたばかりのワンちゃんは足元がフラフラしていることがあります。抱っこで連れて帰るよりも、安定したバッグの中で静かに運んであげるのが一番安全です。

  • 脱走防止のために頑丈なキャリーバッグを用意
  • 安心できる匂いのついたタオルを入れる
  • 帰宅時の揺れを最小限に抑える準備をしておく

診察券と印鑑、それに助成金の申請書があるか確認

当日は手続きのために印鑑が必要になることがあります。同意書にサインする際に必要になるので、忘れずに持っていきましょう。また、自治体の助成金制度を利用する場合は、専用の申請用紙が必要なことが多いです。

病院で「この書類に証明をお願いします」と渡さないと二度手間になってしまいます。診察券と一緒に、事前に役所のホームページからダウンロードした書類や、市報で確認した持ち物をまとめておくと当日がスムーズです。

  • 同意書への捺印に使う印鑑を忘れない
  • 自治体の助成金申請書を用意しておく
  • 狂犬病予防注射の証明書が必要な場合もある

自宅でのケアはどうする?傷口を守る術後服やカラーの選び方

手術が無事に終わり、愛犬が我が家に帰ってきたら飼い主さんの出番です。一番の課題は、ワンちゃんが気にして舐めてしまう「傷口」をいかに守るかです。犬の唾液には細菌が多く、舐め壊してしまうと傷口が開いたり、化膿したりして再手術になる恐れもあります。快適に過ごせるガードアイテムを選んであげましょう。

傷口をなめないようにエリザベスカラーを装着する

最も一般的なのは、首の周りにパラボラアンテナのような板をつける「エリザベスカラー」です。これがあれば、物理的に口が股の傷口に届かなくなるため、確実にガードできます。

最近では、従来のプラスチック製だけでなく、クッションのような柔らかい素材のものや、ドーナツ型で枕のように使えるものも市販されています。壁にぶつかった時の音が怖い子には、ソフトタイプのカラーを検討してあげてください。

  • 物理的に傷口への接触を100%遮断できる
  • プラスチック製は汚れを拭き取りやすく衛生的
  • 音が響かない布製のソフトタイプも人気

カラーを嫌がる犬には柔らかい素材の術後服が便利

カラーをつけると「一歩も動けなくなる」「ご飯が食べられない」というほど嫌がる子には、傷口を直接覆う「術後服(エリザベスウエア)」がおすすめです。伸縮性のある薄手の服で、着たまま排泄もできるように設計されています。

洋服に慣れている子であれば、カラーよりも断然ストレスが少なくて済みます。ただし、服の上からでも執拗に噛んでしまう子や、器用に脱いでしまう子には向かないため、愛犬の性格に合わせて選びましょう。

  • 普段の服と同じ感覚で過ごせるのでストレスが少ない
  • 着たままおしっこやうんちができる設計
  • 生地の上から噛んでしまう子には不向き

散歩はいつから行ける?激しい運動を控える期間

手術当日は家でゆっくり休ませるのが基本ですが、翌日から元気に歩けるようなら、短い距離の散歩に行っても大丈夫です。ただし、ドッグランで走り回ったり、他の犬と激しくプロレスごっこをしたりするのは、傷口が開く原因になるので厳禁です。

抜糸が終わるまでの約10日間から2週間は、リードを短く持って、トボトボと歩く程度にとどめておきましょう。「元気そうだから大丈夫」と油断せず、抜糸が終わって獣医さんのOKが出るまでは安静を心がけてください。

  • 翌日からトイレのための軽い散歩はOK
  • ドッグランや激しい遊びは抜糸まで我慢する
  • 傷口が赤く腫れていないか毎日チェックする

費用の負担を軽くするために自治体の助成金を調べる

最後にお金の話をもう1つ。去勢手術の費用を少しでも抑えたいなら、お住まいの地域の役所が出している「助成金」を必ずチェックしてください。すべての地域ではありませんが、殺処分を減らす目的で手術代の一部を補助してくれる制度を設けている自治体が意外と多いのです。

お住まいの市区町村に「不妊・去勢手術の補助金」があるか確認

例えば、東京都練馬区などでは、1頭あたり数千円程度の助成が出る場合があります。申請には「その街に住民票があること」や「犬の登録(鑑札)が済んでいること」などの条件があります。

予算が決まっていて先着順のこともあるため、手術を決めたらすぐに「〇〇市 犬 去勢 助成金」と検索してみましょう。数千円といえど、術後のご飯代や新しいおもちゃ代に充てられると思えば、調べない手はありません。

  • 「市区町村名 犬 去勢 補助金」で検索する
  • 年度ごとに予算があるため早めにチェック
  • 犬の登録と狂犬病予防接種が済んでいるのが条件

動物病院で発行してもらう領収書や証明書を保管しておく

助成金の申請には、必ず動物病院が発行した「手術をした証明書」や「領収書」が必要になります。捨ててしまうと申請できなくなるので、専用のファイルを作って大切に保管しておいてください。

また、申請期限が「手術から30日以内」などと決まっていることが多いため、退院したらすぐに手続きを行うのがコツです。後回しにすると忘れてしまいがちなので、カレンダーに「申請締め切り日」を書いておきましょう。

  • 手術の領収書と証明書は絶対に捨てない
  • 申請の期限(術後○日以内)を必ず確認する
  • 振込先の口座情報も準備しておく

避妊・去勢手術は基本的にペット保険の対象外になる

ここで1つ注意点ですが、去勢手術は「病気の治療」ではないため、民間のペット保険は基本的には使えません。ただし、停留精巣の摘出など、獣医さんが「健康上のリスクがあるため治療として行う」と判断した場合は、対象になることもあります。

自分の加入している保険がどのようなルールになっているか、一度規約を読み直したり、カスタマーセンターに問い合わせたりしてみると良いでしょう。保険がきかなくても、助成金と合わせれば負担はかなり軽くなるはずです。

  • 健康な状態での去勢は保険がきかないのが基本
  • 治療目的(病気など)であれば対象になる可能性がある
  • 保険会社の規約を事前に確認して損をしないようにする

まとめ:愛犬の健康と暮らしを守る第一歩

去勢手術は、飼い主さんにとってもワンちゃんにとっても大きな決断ですが、将来の病気予防やストレス軽減につながる大切なプレゼントでもあります。最後に重要なポイントを振り返りましょう。

  • 時期は生後6ヶ月から10ヶ月頃の、マーキングが始まる前がベスト。
  • 費用は1.5万円から4.5万円ほど用意し、体重や追加処置で変わることを知っておく。
  • 術後は代謝が落ちて太りやすくなるため、食事の量を2割ほど減らすなどの工夫をする。
  • 精巣腫瘍や前立腺肥大など、オス特有の怖い病気を未然に防げるメリットがある。
  • 前日の夜9時からの絶食ルールを家族全員で守り、安全に手術を受けさせる。
  • 市区町村の助成金があるか、手術前に必ず役所のホームページをチェックする。

手術を乗り越えれば、今まで以上に穏やかで甘えん坊になった愛犬との、より深い絆が生まれるはずですよ。

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